いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「監獄学校にて門番を」古宮九時(電撃文庫)

監獄学校にて門番を (電撃文庫)
監獄学校にて門番を (電撃文庫)

監獄学校
そこは、国が認めた超危険人物のみを集め、矯正することを目的とした最凶最悪の学校。
就職活動99連敗中、長年地下に引きこもる青年クレトの元に突如届いたのは、その監獄学校の門番の採用通知だった。
「ようこそ、監獄学校に。ここがあなたの墓場です。……多分ね」
成績優秀な“指輪生”の少女・ジリアの指導のもと門番の仕事を始めるクレト。だが、羽人・獣人・巨人・竜人・古人、様々な種族が集まる学校は、まさに無法地帯で――。
そして次第にクレトは、学校の裏に隠された国をも脅かす<闇>を知ることとなる。
第20回電撃小説大賞、最終選考作がついに登場!


これは門番になった青年が生徒たちの暴行・凶行を淡々と受け流すものです。過度な期待はs(ry


多種族国家で力が強すぎるものを収監している通称“監獄学校”。その学校の設立には、国家成立時のある事件に大きく関わっていて……。
という設定やストーリーは捻りが効いていて良かった。が、これ以外良いところが無い(^^;
以下伏せ


初めのうちは主人公が訳も分からず生徒たちに攻撃される、その繰り返しを延々と読まされる。ここで大分テンションが落ちたのだが、この後がさらに残念。
文章が下手。
強調したい文にむやみやたらと点が打ってあって逆に目立たなくなってる。……のは残念ながらライトノベルには良くあることなのであまり気にならないが、文章をぼかすのが下手。
回想で固有名詞を隠したら伏線やミスリードになると思ってないか? これは主語が足りない、ただの読みにくい文章。というかさ、回想入れ過ぎで後半の展開バレバレになってるし、さらに致命的になのが何度目かの回想で「王太子の友達」って盛大にネタバレしっちゃってるんだけど……。
キャラクターも印象が薄く、アクションが派手なわけでもなく、どの点を売りたくて拾われたのか分からなかった。
ここ数年、受賞作より最終選考作の方が面白いことが何度かあったので密かに期待したのだが、今年の電撃小説大賞がいかに不作だったかを物語っただけだったなあ。