いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「フルメタル・パニック! アナザー8」大黒尚人(富士見ファンアジア文庫)

フルメタル・パニック! アナザー (8) (富士見ファンタジア文庫)
フルメタル・パニック! アナザー (8) (富士見ファンタジア文庫)

舞台は決戦の地へ――
カエサル・プロジェクト』を追って新生D.O.M.S.は、旧ソ連のガルナスタン共和国にたどり着いた。そこで達也とアデリーナは、この国の若者たちと思わぬ邂逅をとげる。
ガルナスタン大統領の息子オルカンと、その友人ソラヤ――祖国の明日に惑う青年たちとの束の間の交流をよそに、世界は激しく揺れ動いていた。
中央アジアの荒涼たる大地に交差する、理想、野心、そして愛。錯綜する謀略は、戦火を加速させていく。
愛別離苦のSFミリタリーアクション、終演序曲!!

全編どシリアス!
達哉には焦りと悲壮感が漂っていて、その姿を見てリーナが思いつめてしまっていて(口絵のシャワーシーンはどこへ?)、菊乃は……あれ? 大人しいというかしおらしい?
菊乃さんだけはいつもの調子で滅茶苦茶して迷惑な存在になるのかと思ったら、意外にも尽くす女性な一面を披露。それだけ達哉のこと本気なんだな。それを思うと最後のあのシーンは……。
と、個人の心情も気になるが、そればかりを気にしている状況ではなくなってしまったのがこの激動の8巻。
正真正銘の戦争への参戦。
戦いの激しさ厳しさも当然あるが、印象深いのがその過程。
いつ火種が予断を許さぬ状況からスタートし、各陣営の思惑が複雑に絡み合う裏側を見せられ、戦争へといたる。その過程が、現実の世界情勢との思わぬ“被り”も相まって非常に生々しい。訓練で四苦八苦していた達哉がこんなところまで来てしまうなんて。最後読んでやっとリーナの気持ちがよく分かった。
とんでもないところで止めてくれたのに、次は過去編+短編!? なんて殺生な。



7巻では散々な言われようだった四号機、普通に格好良いじゃない。