いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「はたらく魔王さま!15」和ヶ原聡司(電撃文庫)

はたらく魔王さま! (15) (電撃文庫)
はたらく魔王さま! (15) (電撃文庫)

ライラから異世界の危機について話を聞いた魔王だったが、悲願の正社員への登用研修が始まり、それどころではなかった。
魔王の留守中、千穂と鈴乃はアラス・ラムスのためクリスマスパーティーを企画していた。初めてのクリスマスに浮かれて靴下を大量購入するエメラダや、梨香のことを気に掛ける芦屋、母親が世界の危機に関係していてもまったく気にしない漆原たちをまとめあげ、パーティーを無事開催することはできるのか!?
天使たちの過去、天界の悲劇も明かされ、庶民派ファンタジーにまさかの新展開も!? 真冬の大騒動な第15弾!

いやいや、君は最初から大人しい『ちーちゃん』じゃなかったよ。女子高生とは思えない度胸とアグレッシブさが売りでしょうに。
そんなちーちゃんがちょっとご乱心して面白い終章こそ話が動いたが、その前まではがっつり説明回。
ライラの願いを聞くか聞かないか、魔王と勇者の決断に振り回されている周りの人たちの心境を丁寧に綴る……と言えば聞こえはいいけど、本音を言うと「まだやってんのかよ」感が強い。ここ最近こんな回ばかりじゃない?
それにしても魔王が不在だとこんなに寂しくなるんだな、この作品。
今回は魔王が正社員登用研修の為ほとんど出てこない珍しい回。誰もが異世界の危機<日常生活なところで庶民感を出してはいたけれど、テンションが違う。恵美にしても芦屋にしても魔王が居ないから余分なことを考えてテンションが落ちていて、それが周りに伝播しているようで、クリスマスシーズンとは思えない沈んだムード。その代りに珍しく漆原が活動的だったけど、あいつ居てもなーw
そんな訳で魔王の存在の大きさを感じるという意味では意義のある回だったかもしれない。
でも、いつもと同じように楽しい・面白いと言える回ではなかった。まあそういう時もあるさ。
次からは拠点を移して大暴れしてくれるだろうから、それに期待しよう。