いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか? #02」枯野瑛(角川スニーカー文庫)

終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#02 (角川スニーカー文庫)
終末なにしてますか? もう一度だけ、会えますか?#02 (角川スニーカー文庫)

〈獣〉の侵食により死にかけた都市ライエル。その外れの森で新たに発生した妖精の子供2人は、リンゴ、マシュマロと名づけられた。「ふぇどーるーっ!」「ふぇどるー」「まったく、どうして僕なんかに懐いてるんだか」ぼやくフェオドール四位武官に、ラキシュは悪戯っぽい笑顔を返す。彼女らと過ごす日々の中、フェオドールは自らの想いを告げることを決めるが、そこに〈十一番目の獣〉の『小瓶』が落とされる……。新シリーズ、第2弾。

新たに発生した二人の妖精(想定二歳児)のお転婆で天真爛漫な様子に、このシリーズとは思えないほど温かな空気が流れる新章2巻。
今回はフェオドールとラキシュやパニバルとの交流がメイン。本シリーズのクトリのポディションだと思っていたティアットが別任務で別行動。新シリーズは誰か一人とという感じじゃないのかな? 掴みどころのないパニバルに翻弄されるフェオドールと、フェオドールの気取った言葉が意外にもラキシュに刺さっている会話が印象的。
そんなお子様二人に振り回されながらのやかましくも平穏な日々しばらく続くが、そこはこのシリーズ。平穏なまま終わるはずがない。そう思って身構えていたが、、、そうきたか。
ラキシュはある程度覚悟していた。表紙で泣いてるし、1巻のラストで予告していたようなものだし、誰かを庇って終わりを早めるんだろうなと。そこにとんでもなく重いオプションを付けてきたから堪らない。
幸せの時間の幸福度が高いほど、その時間が長い時ほど容赦なく突き落としてくるのは実にこのシリーズらしいが、この遣る瀬無さは何処に向ければいいのか。4人娘の中では前シリーズの思い入れもあってラキシュがお気に入りだっただけに辛い。
日常の壊れる音が聞こえているようで次が楽しみだが怖い。