いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ソードアート・オンライン18 アリシゼーション・ラスティング」川原礫(電撃文庫)

ソードアート・オンライン (18) アリシゼーション・ラスティング (電撃文庫)
ソードアート・オンライン (18) アリシゼーション・ラスティング (電撃文庫)

「――キリトくんだ。わたしのキリトくんが、帰ってきた……」
アンダーワールド≪最終負荷実験≫の二日目。
≪人界軍≫最強の整合騎士ベルクーリ、スーパーアカウント・太陽神ソルスのシノンを打ち破ったガブリエルは、逃げるアリスを追う。
一方、圧倒的な数の≪暗黒騎士≫に包囲された≪人界軍≫囮部隊の戦場では、アスナの奮闘、リズベットシリカらの助力虚しく、ついに自失状態のキリトが、ラフィン・コフィンの残党≪PoH≫につかまってしまう。積年の恨みを晴らさんと、PoHの毒牙がキリトに迫り――
瞬間。
キリトのこころの中に、声が響いた。それは、共に暮らし、戦い、笑いあった彼の親友の声。たった一人の、最高の相棒の声――。
ついに、キリトは復活する。
アンダーワールドに生きる≪すべて≫を、救うために。


キリト復活!!
ようやく待ち望んだこの時が! と期待度MAXだったに、復活したキリトさんが万能すぎちゃってなんか違う。
剣技やプレイヤースキルで強いならどれだけ無双状態でも納得できるし楽しめるのだけど、与えられた特殊能力で強いのはキリトのスタイルじゃない。
おかげでPohとの決着は呆気なくて拍子抜け、ガブリエル戦はマ○ー2のラスボス戦みたい(話の展開の相似点も多いが、シナリオ的には有りでも戦闘の面白さがゼロなところがそっくり)で盛り上がらず。あれだけ時間をかけてきたアリシゼーション編のラストがこれなのかとがっかり感が強かった。
引っ張り過ぎでだれた影響も少なからずあるよなあと冷めた気分で読んでいたら、二十三章の終わり、話がアンダーワールドからリアルに戻ってきたところから急に熱が入り始める。本番はリアルに帰還した後だったか。
キリトのお株を奪うかyニエモンの活躍に始まり、甘え上手なアスナとのニヤニヤエピソード、Pohとの再戦フラグ他諸々の伏線、リアルに降臨したアリスの振る舞い、アスナvsアリスなどなど、笑えるところがあれば、緊張感のあるところもあり、しんみりするところありと読みどころ満載。
前半のがっかり感を覆して余りあるほど後半は面白かった。アスナとアリスのエピソードだけでも散々待たされてきたかいがあったってもんだ。
途中でなんとなく気づいたいたけど、続編があるようで。今度は完全書き下ろしで、プロローグIIIからするとSFチックになる!?