いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ステージ・オブ・ザ・グラウンド」蒼山サグ(電撃文庫)

ステージ・オブ・ザ・グラウンド (電撃文庫)
ステージ・オブ・ザ・グラウンド (電撃文庫)

横すべりな人生……挫折した青春……幼馴染みの渚にもあきれられ、悪友の卓と不毛な日々を送る楠田幸斗。
そんな幸斗も一度だけ、夢に燃えたことがあった。小学生時代に結成した野球チームに、燦然とエース・剣が現れたのだ。彼の誰にも打つことができない強烈なナチュラルスライダーは、幸斗たちに夢を見させた。だが夢は夢のまま、あっさりと剣は転校……かくして、チームも自然消滅。そして、ただ腐っていくだけの高校生活が待ちうけていた。
しかし、『幻のエース』が帰ってきた。
野球は『もういい』はずなのに……エースの帰還が、幸斗のくすぶっていた野球への情熱に小さな火をともす――。


幼女が出てこない……だと!? これは本当に蒼山サグ作品か?
高校生男子が主人公で野球の物語だということは分かっていたので、いつものようにメインで出てくることは無いとは思っていたけど、幼女要素ゼロは想像していなかった。
そんなわけで本作は純粋にスポ根。純粋に青春。腐っていた元野球少年の高校生が、高校になって転校して戻ってきたかつてのチームメイトと再び野球を志す王道スポ根青春小説。
但し、シリーズものを前提にしているのだろう、前置きが長い。くすぶっている期間、踏ん切りがつかずにうじうじしている時間が長いので、前半はストレスが溜まる。
後半になって主人公・幸斗がやる気を出し始めてからようやく面白くなり始めるが……非公式入団テストだけでは不完全燃焼だよなあ(^^; まあ開始早々完全燃焼されても困るけど。
それでも面白くなる熱くなれる要素は一杯なので、スポ根大好き野球大好き人間としては是非とも続いてもらいたい作品。何せ彼らはまだスタートラインにも立てていないのだから。とりあえず卓のバッティングセンスを見せてもらわないとね。ツンデレチョロインさんの活躍にも期待w