いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



今年のお気に入り2016

今年の読んだ本は




229冊(漫画雑誌等除く)でした。




その中からお気に入りのものをいくつか上げてみました。
今年も例年通り曖昧なジャンル別でお送りします。
(シリーズものの画像は今年出版のもののみ)




↓長いので収納↓






●青春
近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係久遠侑ファミ通文庫
近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係 (ファミ通文庫) 近すぎる彼らの、十七歳の遠い関係2 (ファミ通文庫)



個人的今年ベストの作品。
十七歳の高校生の日常を切り取った青春ラブストーリー。彼らの息遣いが聞こえてきそうな距離の近さとリアリティ、彼ら自身の言葉とその時目に映る情景の二重で描かれる丁寧な心理描写が最大の魅力。
2巻で綺麗に終わっていて手に取りやすいので、青春恋愛小説好きの方は是非。買ってもらえるとサイドストーリーの出る確率が上がります






小説の神様相沢沙呼講談社タイガ
小説の神様 (講談社タイガ)



こちらは打って変わって感情剥き出しの青春小説。
学生作家の二人がまるで言葉という拳で殴り合っているかの様。青春小説で圧倒されるのは初めての経験だった。
それでいてなのかだからこそなのか、二人が同じ方向を向いたラストは感動と安堵が入り混じって嬉しい読後感。







●涙
りゅうおうのおしごと!白鳥士郎GA文庫
りゅうおうのおしごと!2 (GA文庫) りゅうおうのおしごと!3 (GA文庫) りゅうおうのおしごと! 4 (GA文庫)



(主に幼女たちと)おバカなことをやりつつ、将棋にはとことん真剣で真摯な将棋ラノベ
「涙」なのは何と言っても3巻。
崖っぷちの桂香を通じて、どんなに好きでそんなに情熱があってもままならない勝負の世界の厳しさ、常人には想像できない覚悟の必要量を突きつけられて泣かされる。






終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?枯野瑛角川スニーカー文庫
終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#04<終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?> (角川スニーカー文庫) 終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?#05 (角川スニーカー文庫)



少女たちの過酷な運命を描き何度も泣かせてきたこの作品もついにラストを迎えた。
最後までしっかり泣かせてくる。でもその中に悲しいだけじゃない、安堵の涙が混じっていたのが救い。
そして物語は次の世代へ……。






「我がヒーローのための絶対悪」大泉貴ガガガ文庫
我がヒーローのための絶対悪 3 (ガガガ文庫)



正義の味方とダークヒーロー。愛ゆえにすれ違う幼馴染みたちの闘争、完結。
不器用なやり方でその愛を貫き通してしまった主人公に「バカヤロー!」と思いながら涙が出る。







●バカ
「英雄都市のバカども」アサウラ富士見ファンタジア文庫
英雄都市のバカども (2) ~女神と漢たちの祭り~ (ファンタジア文庫) 英雄都市のバカども (3) ?アルコ・ホール三番街の何でも屋? (ファンタジア文庫)



いい意味で幼稚で熱血な町の男たちと巻き込まれる女たちの狂演が笑いと感動を、熱い料理が空腹をくれるシリーズ。
おっぱい、裸、変態……強力な童貞力で笑わせてくる2巻が本当に「バカ」としか言いようがなかった。
このブログではお馴染みのアサウラ作品。ええ、ただのファンです。





アサウラ先生と言えばもう一つ
「生ポアニキ パンプアップ」アサウラオーバーラップ文庫
生ポアニキ パンプアップ (オーバーラップ文庫)



アニキ、まさかの復活。
心は熱く、存在は暑苦しく、相変わらずの圧倒的な存在感でした。
こんなん笑うわ。きたないわw







●ノスタルジー
「月とライカと吸血姫」牧野圭祐ガガガ文庫
月とライカと吸血姫 (ガガガ文庫)



冷戦時代のソ連アメリカの宇宙開発競争にボーイミーツガールと吸血鬼を合わせてライトノベルという媒体に落とし込んだ作品。
こういう“何でもあり”のライトノベルだからこそ出来る作品が最近めっきり見られなくなってしまった。もっと出て来てほしい。






「雨の日も神様と相撲を」城平京講談社タイガ
雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ)



奇妙な村の風習を紐解く伝奇小説であり、特訓で強敵を倒すスポ根であり、神様の正体からするとSFであり、ラブコメあり、おまけに殺人事件の推理までする。なのに1つの作品として成立しているとても不思議な作品。
そのごった煮感が古き良き時代のライトノベルを思わせる。レーベルはタイガだけど。







●ファンタジー
「翼の帰る処」妹尾ゆふ子幻冬舎コミックス
翼の帰る処 5 ―蒼穹の果てへ― 下



ついに完結。ブログを遡ったら1巻(上)が出たのが8年前だった。
巻き込まれる王族の闇、復活間近の神々への抵抗。舞台も内容も本格ファンタジーなのに、中間管理職の辛さをどこかコミカルに表してくれるヤエトが堪らなく好きだった。
ヤエト先生、長年お疲れ様でした。






血翼王亡命譚新八角電撃文庫
血翼王亡命譚 (1) ―祈刀のアルナ― (電撃文庫) 血翼王亡命譚 (2) ―ナサンゴラの幻翼― (電撃文庫) 血翼王亡命譚 (3) ―ガラドの夜明け― (電撃文庫)



第22回電撃小説大賞〈銀賞〉受賞作。
独特で綿密に練られた重厚な世界観と素直に泣けるストーリーが魅力の作品。
あと密かに3巻が今年のNo.1あとがき。ちょっと反則気味だけど。





以上



来年も傑作・良作に出会えることを祈りつつ、皆さま良いお年を!