いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー」大森藤ノ(GA文庫)

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー (GA文庫)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー (GA文庫)

それは神の眷族が紡ぐ歴史の欠片(クロニクル)――。
「アンナ・クレーズを買い取ったのは、『大賭博場』の人間です」
腕利きの元冒険者リューが働く『豊穣の女主人』で今日も騒動が起こる。とある夫婦の一人娘がさらわれたことを知り、正義の名のもとに調査を開始するリュー。その先に彼女が辿り着いたのは――迷宮都市の治外法権、大賭博場。人の欲望が渦巻く黄金の都で【疾風】の轟きが巻き起こる!
「お前達、声を出しな! ここは笑って飯を食べてもらう場所さ!」
そして少女達が酒場に集う始まりの物語も収録! ダンまちの世界を補完するクロニクル・シリーズ第一弾、始動!

「グラン・カジノをぶっつぶせ!」と「そこは豊穣の酒場 〜Girl meets Girls〜」の二編からなる『ダンまち外伝』じゃない方の外伝。
episodeリューとあるが、前半はリュー以上にシルが目立っていたり、後半は楽しく頼もしくおバカなリューとシルの同僚、クロエとルノアの加入秘話(初め「悲話」と誤変換したがこっちの方があっている気がするw)だったりするので、リュー編というよりは『豊穣の女主人』編の方が合ってそう。
「グラン・カジノをぶっつぶせ!」の方はいつもの『ダンまち』だった。と言うのはリューがベルみたいだったから。
自分が間違っていると思ったことに出くわしたら放っておけないヒーロー気質はベルによく似ている。むしろ正義と言う言葉に敏感で忠実な分、ベルよりヒーローらしいかも。だからベルと同じ様に女の子を惹きつけてしまうんだろう。女性なのに(苦笑)
「そこは豊穣の酒場 〜Girl meets Girls〜」はリュー、クロエ、ルノアの目的を失った三人がミア母さんに拾われる話。
強い強いとは言われていたけどこれほどまでか。豊穣の女主人ファミリアがあったら40階層くらい軽く行けそう。そんな強力メンバーなのに、一番底が知れないのがシルっていう。彼女は表に出れば出るほど謎が増えていくな。
あと、どうでもいいがこちらの話のリューは「くっ」言い過ぎ。まるで薄い本の女騎士かエルフの様な……あ、どっちも当てはまってるわw しかも最後は「○○には勝てなかったよ」状態で二度笑える。まあ○○に当てはまるのが母さんなんだけど。
リューのもう少し昔の話が出てくるかと思っていたので、過去が知れないのはちょっと残念だったけど、本編同様かそれ以上の「カッコいいリューさん」を味わえて満足。