いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「クロハルメイカーズ 恋と黒歴史と青春の作り方」砂義出雲(ガガガ文庫)

クロハルメイカーズ: 恋と黒歴史と青春の作り方 (ガガガ文庫)
クロハルメイカーズ: 恋と黒歴史と青春の作り方 (ガガガ文庫 す 4-9)

必要なのは、好きなものへの憧れと衝動のみ!! 「黒歴史を恐れるな」を合い言葉に、同人誌や動画などを制作している「創造部」。クセの強い部員が集まるこの部活で、湊介はあらゆるサブカルに精通する自称ハイパークリエイトプロデューサーとして部を統率していた……はずだったが、部活紹介のクソ映画がオタク知識ゼロのお嬢様・比香里の心を掴んでしまい――!? 純真なる新入部員の加入は奇跡か、新たな闇か。プライド、見栄、自意識、才能……不安と葛藤を超え、創作の道を突き進め!! 痛くも恥ずかしい、むき出しの青春群像劇開幕!

拗らせた濃いオタクたちの集まりの創造部(各種同人活動をする部活)に、漫画もアニメもまともに触れてこなかった、真正のお嬢様・比香里が入部してきて、みんなで何かを作ろうとする物語。
本題はとても良かったんだが、いくらなんでも前置きが長すぎる。7割くらいが前置きなんじゃないかと(^^;
中盤までいってもまだキャラ紹介しているし、濃いオタ知識を披露するだけで行動は何も起こさないしで、変な部活コメディをやりたいのか創作もので青春をやりたいのか、その7割を越えるまで分からなかった。しかも、無垢な新入部員にオタクの常識を逐一丁寧に説明していくという、ガガガ文庫のメイン読者層には要らないであろう説明が延々と続くという退屈さ。それでも、その間のボケや小ネタが面白ければ、そうは感じなかったんだろうけど、趣味もテンションも笑いのツボも一個も合うところがなかったので、苦痛しかなかった。スカト○や臓物はホント無理です。ごめんなさい。
結局青春の方だった本題に入ってからは、初期衝動という創作に対する熱量と、それを失ってしまった中堅アマチュアの生みの苦しみ、出来上がったものの若さゆえの痛々しさ、そのどれもが上手く表現されていて、青春を強く感じることが出来た。
まあ、それまでにテンションが下がり切っていたので、終わりよければ全てよしとはならなかったけれど。さっさと本題に入ってくれたら 評価が上がったかもしれない。



読み終わった後に作者名でこのブログを検索したら、デビュー作を読んでいて、その時点で「合わない」って言ってたわ、自分(^^; 買う前に検索すれば不幸な出会いはなかったですね、申し訳ない。