いつも月夜に本と酒

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「妖怪のご縁結びます。 お見合い寺 天泣堂2」梅谷百(メディアワークス文庫)

妖怪のご縁結びます。 お見合い寺 天泣堂2 (メディアワークス文庫)
妖怪のご縁結びます。 お見合い寺 天泣堂2 (メディアワークス文庫)

父を説得し、晴れて正式に妖怪結婚相談所「天泣堂」の主になった、由緒ある寺の末息子・恵留。見事成婚した妖怪たちの評判が広まり、今日も天泣堂は大賑わい。
「初恋の相手を探してほしい」という河童、山男に恋をしてしまった人魚、さらには使役している管狐を繁殖させたい妖怪使いの人間……今回もまたまた一筋縄ではいかない縁組みばかりで――。
そして、謎多き妖怪好きの美女・軽井沢小町の生い立ちが明らかに! 人間にも役に立つ? 妖怪の“婚活”物語。

妖怪の結婚相談所を正式に父から受け継いだ大学生の物語。



2巻は河童の婚活パーティや種族も住む場所も違うもの同士の結婚など、人間社会の問題にも置き換えられそうなテーマで、色々考えさせられる話……だったような気もするけど、まあそんなことより
小町さんかわいい。ひたすらかわいい。
普段のツンケンした態度と天泣堂に居る時の柔かさのギャップが良い。主人公の恵留一人に気を許していている特別感と、この巻でもそのデレ具合がゆっくりゆっくり進んでいく過程を楽しめるのも良い。しかも、1巻は恵留の悩みがメインだったの対し、2巻は小町の家族や出自の秘密に迫る話だったので、彼女がクローズアップされる回数が多くて眼福だった。
そんな小町を、ストレートな物言いで度々赤面させてくれる恵留くんもGJ!……なのだけど、基本気配りの人なのに、あからさまに怪しい人物を信用したり、突然デリカシーの無いことを言ったりと、変なところで抜けていて、時々モヤッとさせられるのが玉に瑕。意外と掴みどころのない人物だったな、彼。
最後、綺麗にまとめに入っているのが不吉だが、小町の問題は推測では好転したけれど、解決したわけではないので、ちゃんと決着をつけてくれると信じている。これは全然連絡が来なくて痺れを切らした恵留が、小町を取り戻しに彼女の実家に押し入る流れですよね?