いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「夜更けのおつまみ」(ポプラ文庫)

原稿があがった後の枝豆とビール、秘密のレシピでつくる肴、大切な人と分かち合った一皿…31名の人気作家がおつまみにまつわる思い出を語ったエッセイ・アンソロジー。巻末にはキリンビール公式noteとコラボして開催したコンテスト大賞受賞作も掲載!


総勢31名の作家による、こだわりのおつまみエッセイ集。
こだわりはおつまみそのものに限らず、お酒だったり、食べ方・呑み方だったり、ライフスタイルだったりと様々。
作家の先生方が贅沢な暮らしをしているなんてことは微塵も思ってはいないけれど、それにしても予想以上に庶民的というか何と言うか。まさか、食材として一番人気を争うのがイワシと豆腐だとは思わないじゃない。でも、自分で料理する人は少なめだったのはイメージ通りかな。専門家の岡元先生や『かくりよの宿飯』の友麻先生は流石の切り口だったけれど。
あとは、子供のころや学生時代に食べたジャンキーなつまみの思い出が多かったのも印象的。田中啓文先生の海苔+トマトジュース+タバスコは、チーズを足してチンすればかなり“あり”だと思うけどなあ。
飲み方というか飲み始め方で印象が強いのが綾崎先生。サッカーで判官贔屓の先制点縛りって飲める確率10%以下なんじゃ? 野球なら30~40%くらいありそうだけど。
個人的に最もそそられたのは一話目の「俺の生ハム」
生ハムを自作する発想はなかった。レシピまであって宅呑み呑兵衛の心をくすぐってくる。(ただ風乾の気温が十度以下がネックなのよね。暖冬の今冬、静岡で最高気温が10度以下だった日は数えるほどしかない(^^;)
そんなわけで、作家先生方の晩酌事情を覗ける楽しい一冊だった。