いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「隣のクーデレラを甘やかしたら、ウチの合鍵を渡すことになった2」雪仁(電撃文庫)

「……私と夏臣の関係って、どう説明すればいいんだろう」
一人暮らしの高校生、片桐夏臣と隣室に引っ越してきた黒髪碧眼の美少女、ユイが共に食卓を囲む日々は続いていた。学校では変わらずクーデレラと評されるが、夏臣の前では柔らかい微笑みを見せることが多くなったユイ。そんな二人の関係は、夏臣の親友がくれた花火大会のチケットをきっかけに変わり始める。
「……デート?」
「男女二人で花火大会に行ったらデートって言うだろ、普通は」
お互いがお互いを大切に想い、居心地の良い関係だと自覚した時、二人の関係は更に甘さを増していく――


恋愛事に対して初心な二人が恋とは何かを探る、飯ウマ男子とハーフ英国留学生のお隣さんラブコメ第2巻。
ユイの問題が一先ず解決し、一緒にいることが自然になった二人の関係は「甘酸っぱい」から「甘い」へ。
パンフレット用のウエディングドレス撮影、調理実習、水族館からの花火デートと、それはもうラブコメお約束イベントのオンパレード。思わず「こういうのでいいんだよ こういうので」と言いたくなる、ピュッアピュアでベッタベタなラブストーリーが展開されていた。どこまでも王道を行くその姿勢が潔くて好きだ。
そんな中で繰り広げられる恋模様は、
隣にいる相手に日々ドキドキしながら、一人の時や他の誰かといる時は自分の心を省みる。自分の中の恋心を確かめながらゆっくりじっくり進む様子がもどかしくも甘い。一つ間違えば、呆れたり勝手にやっててと思うようなやり取りなのに、二人とも自分にも相手にも誠実であろうとする姿勢が好ましいので、見守りたくなるというか応援したくなるというか。とにかく可愛い二人なのだ。
今回も“かわいいカップル”のラブコメを堪能した。面白かった。
……で、合鍵はどうした?
と思ったら、あとがきによると次回ついに渡すらしい。渡されたユイの反応とどの程度入り浸ってしまうのか、これまたベタな福引温泉旅行の行方と共に楽しみ。