いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「僕の愛したジークフリーデ 第1部 光なき騎士の物語」松山剛(電撃文庫)

かつて魔術師が隆盛を誇り、その後、「反魔素材」の発明で、大きく衰退を見せた世界。残った数少ない「魔術師」である少女・オットーは、旅のさなかにある一人の剣士と出会う。
その者、「光なき」眼帯の女性剣士。
名を『ジークフリーデ・クリューガー』。
両目とも見えぬはずが、一瞬で野盗の群れをなぎ倒すその力に、「新種の魔術」の片鱗を見たオットーは、その力を研究したいという一心で彼女を追う。それが、身も心も《沼》に落とすことになると知らずに……。
混乱の時代に出会った少女二人の、数奇な運命を描く。


今は廃れてしまった魔術を後世に残すために魔術書の編纂をする魔術師の少女・オットーと、盲目の女騎士ジークフリーデが出会うことか始まる剣と魔法のファンタジー

メンヘラとヤンデレとアホの子に好かれて大変なジークフリーデさんが可哀想な話、たぶん。主要キャラクターがみんな女の子のなので百合百合しくなることだけは間違いない。
というのは8割おふざけだが、
今のところ世界観と状況の説明、登場人物紹介に終始した1巻らしい1巻な内容なので、他に感想が書きようがないというのが本音。
四人の中では一番端役な騎士イザベラの内心は幕間で語られているが、他三人の理由や心情が語られ始めてからが物語の本番になると思う。
天真爛漫な姫は何故暴君になったのか。ジークフリーデは何故暴君に執着するのか。タイトルの「僕」とは僕っ子のオットーで間違いないのか。そうならば助けられた恩と魔術的な興味くらいしか感じていないジークフリーデを「愛した」と言うまでに至る道筋は。などなど、謎がいっぱいで話はどう転ぶかわからないけれど、松山先生なのでジークフリーデが酷い目にあいつつ(というか、すでに酷い目にあっているが)、心温まる泣ける物語になるのだと信じている。