いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「新・魔法科高校の劣等生 キグナスの乙女たち (2)」佐島勤(電撃文庫)

魔法科高校での生活に慣れてきたアリサと茉莉花。今度こそアリサと同じクラスになりたい茉莉花は、月に一度のクラス振り分けテストでその夢を叶えるべく、試験科目である魔法の特訓に挑み始める。
一方アリサも入部したクラウド・ボール部の活動に力を入れる。いまだに勝利への闘争心は少ないが、楽しんで活動をしていた。
そんなある日、クラウド・ボール部部長の初音から、三高との対抗戦が決まったことを告げられる。初の対外試合に戸惑うアリサの対戦相手は、魔法の名家、二十八家に連なる一色家の出身で――。
魔法科高校の生徒たちの波乱な青春が繰り広げられる!


十文字家に引き取られたロシアンハーフのアリサと、現在本編で活躍中?の遠上遼介の妹・茉莉花が主人公のスピンオフ第2巻。
2巻は達也卒業後の一高の現状と、魔法を使ったスポーツがメインの回。
一高が一科二科が撤廃された代わりに、毎月のテストの成績でクラス分けするというえげつない実力主義の学校になっていた。二科生への差別より酷い事態になりそうなんですが、それは。問題は出ていないと思っているのは教職員だけの気がする。
魔法を使ったスポーツの方は、アリサが始めたクラウド・ボールを中心に。
ルールから戦術まで競技の詳しい説明と、アリサが徐々にやる気を出していく過程、さらにライバル登場と、今後のメインコンテンツになりそうな力の入れ様。一方でマーシャル・マジック・アーツをやる茉莉花の方も、一条茜という強力なライバルとの出会いがあり、学園ものらしく部活動中心の物語になっている。
と、ここまでなら女の子たちの学園青春ものとして普通に楽しめる内容だったのだけど、今回はそこに余分な要素が。
二人にそれぞれ当て馬気になる男性が出てきたり、二人を狙う謎の大物が出てきたりと不穏な空気が。はっきりいって、百合学園ものに男も黒幕も要らんのだけど。作者は必ずどこかで読者を不安にさせないとと気が済まない病気なのかな?(←失礼
次回が茉莉花のマーシャル・マジック・アーツになるか九校戦になるかはわからないけど、彼女たちが変に気を揉むことなく学園生活を過ごせるといいなあ。