貧乏探偵、鏑矢惣助が尾行中に出逢ったのは、魔術を操る異世界の皇女サラだった。なし崩し的にサラとの同居生活を始める惣助だが、サラはあっという間に現代日本に馴染んでいく。一方、サラに続いて転移してきた女騎士リヴィアは、ホームレスに身をやつしながらも意外と楽しい日々を送る。前向きにたくましく生きる二人の異世界人の姿は、惣助のほか、鬼畜弁護士、別れさせ工作員、宗教家といったこの地に生きる変わり者達にも影響を与えていき――。
平坂読×カントクコンビがこの時代に放つ、天下無双の群像喜劇、堂々登場!
革命により追われる身となった帝国の姫と女騎士が一か八かで逃げ込んだ《門》の先は現代日本だった。岐阜の冴えない私立探偵と異世界の姫と騎士、その他諸々の変人たちが織りなす日常コメディ。
異世界の姫様馴染みすぎぃ!
異世界から来た姫が次々とトラブルを起こすドタバタコメディかと思いきや、姫があっさり日本文化に馴染んでしまって、その日暮らしの貧乏探偵の平凡な日常を描く作品になっていた。サラと探偵・惣助の会話が探偵を語るとコナン君になるし、それ以外も基本オタトークだし。まあ、その異世界感も姫感もない残念さが面白いのだが。
一方、もう一人の異世界人は暴れまわっていた。
即日日本文化に溶け込む姫様とは真逆で、ホームレス化したくっころ女騎士リヴィアさん。本人の変人度も変人遭遇率もハラハラ感も肌色面積率も高かった。読後によくよく見てみたら登場人物紹介でリヴィアの紹介欄が「異世界の騎士。主人公」になっていた。出番自体は惣助とサラの方が多いが、これは納得。
ところで、ラノベ業界には異世界女騎士はポンコツでなければならない不文律でもあるのだろうか。ラノベ業界の女騎士に対する風評被害ほんとひでw
今回は一巻とあって異世界人二人の描写に惣助周りの女性たちの紹介と、サラダボウルに入る人たちの紹介の面が強く、それぞれの絡みは少なかった。癖の強いキャラクターばかりでどう転んでも平凡なコメディにはなりそうにないので、続きが楽しみ。