いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」燦々SUN(角川スニーカー文庫)

「И наменятоже обрати внимание」
「え、なに?」「別に? 『こいつホント馬鹿だわ』って言っただけ」「ロシア語で罵倒やめてくれる!?」俺の隣の席に座る絶世の銀髪美少女、アーリャさんはフッと勝ち誇った笑みを浮かべていた。……だが、事実は違う。さっきのロシア語、彼女は「私のことかまってよ」と言っていたのだ!
実は俺、久瀬政近のロシア語リスニングはネイティブレベルなのである。そんな事とは露知らず、今日も甘々なロシア語でデレてくるアーリャさんにニヤニヤが止まらない!? 全生徒憧れの的、超ハイスペックなロシアンJKとの青春ラブコメディ!


今、スニーカー一押しでかなり売れているらしいので流れに乗ってみた(遅

超絶美少女だけど性格にやや難ありのヒロインと、無気力だけどやる時はやる主人公のオーソドックスなラブコメ
「時々ボソッとロシア語でデレる」は【 】で手を抜かずにちゃんとロシア語表記にしてほしかったところだが、それを抜きにしても、ツンとデレをリアルタイムで同時に楽しめるアーリャの可愛さはなかなかのニヤニヤ度。令和に誕生したツンデレの新しい形、かもしれない。
でも、そんなヒロインよりも目立っていたのが主人公の妹。
兄妹でのノリのいいやり取り、オタク知識から繰り出されるラブコメお約束ムーブ、正体をカミングアウトした時の衝撃。どこを取っても魅力的なキャラクター。まあヒロインのそれじゃないが。
一方主人公は、やる時はやるタイプの主人公は好きなタイプなので好印象。ただ、彼の悩みちょっとよくわからない。
小さい時の想い出の女の子以降誰かを好きになったことがなく、離婚した母親の子だから自分が誠実だと思えない。ここまでは高校生の潔癖さを加味すれば理解できなくもないんだが、そこから「だから生徒会には相応しくない」に繋がる思考が分からない。というか、その前に生徒会が神聖視されているのが理解不能なんだけど。ラノベブコメの生徒会って、現実には存在しない謎に権力を持つ謎の組織よね(^^;
正直バカ売れするほどの特長があるとは思えないが、キャラクターもストーリーも丁寧に作られたラブコメだという印象。純粋にヒロインの可愛さを楽しむ作品として読めばいいのではないかと。今回主役を食い気味だった妹ちゃんは焚き付け役になるのだろうし。