いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「継母の連れ子が元カノだった10 手を伸ばせれば君がいる」紙城境介(角川スニーカー文庫)

再び恋人同士になった結女と水斗は――浮かれていた。一つ屋根の下に恋人がいる新しい日常に!
両親に隠れてイチャつき、「もう少しだけ……独り占めにしたくて。ダメ?」友達にもしばらくは内緒。
秘密の関係を噛みしめる一方、“家族”としてのボーダーを超えられない環境に焦れてもいた。
バレンタイン・ホワイトデーは恋人らしく楽しんで、期末試験を支え合って乗り越えても、お互いにあと数センチ手が伸ばせず……。
「結婚記念日だからね。遅めの新婚旅行に行こうと思うんだ」
ついに訪れる、両親不在の三日間。
でも――自分から誘ったら負けなのでは!? 恥じらいと意地、根比べの行く末は!


正月から春休みまで、もちろんバレンタイン&ホワイトデーもあるよ!な三学期編。
あっちでもこっちでも恋の嵐が吹き荒れるベタ甘群像劇だった。チョコレートなんてビターすぎると言わんばかりの糖分垂れ流し仕様。このピンク一色の生徒会は来期大丈夫なのか?w
先輩くんと後輩ちゃんは、ぶっきらぼうだけど優しい彼氏とイケイケなのに中身は純情な彼女というギャップ萌えカップルでイチャイチャ。実にテンプレ。だがそれがいい
会長ちゃんと会計くんは、暴走系耳年増女子と草食系ヘタレ男子のもどかしい駆け引き。こちらも実にテンプレ。だがそれがいい
熟年幼馴染みはラノベブコメとしては大分変化球だけど、やり直しは着実に進んでいて、これはこれでニヤニヤ度高し。
そして、やーーーーっと付き合い始めたメインカップル伊里戸兄妹(姉弟)。
ここまで長かった。2巻で水斗の気持ちがわかって、4巻で結女が覚悟を決めたから、5巻か遅くても6巻にはこのイチャラブ状態が読めてもおかしくなかったはずなのに。その鬱憤を晴らすかのように、それはもうイチャイチャしまくっていた。二人きりのスキンシップもいいけど、他人がいるところで目線で会話してる時の方がなんか甘い。そんな熟年ぶりを見せる一方で、二人の初体験の緊張感を赤裸々に綴った三日間の描写は初々しくて、読んでるこっちが無駄にそわそわしてしまう。
一度失敗してるから掛かるブレーキと、付き合い始めでテンションが上がっているアクセルのせめぎ合い。この二人でないと出ない甘さが堪能出来てとても良かった。
行くとこまで行って、あとはもう親バレが楽しみなエピローグするだけな流れかと思いきや、なんだこのラストは。明日葉院さんがヤンデレ化する流れですか? まあ、あれだけ周りが頭お花畑の中に一人で居たら病みもするか。そう考えるとあの二人に挟まれてダークサイドに行かない いさなはやっぱりどこかおかしいw