いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ロクでなし魔術講師と禁忌教典24」羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

熾烈な決戦の末、アルザーノ帝国は救われた。だが崩壊する天空城からグレン=レーダスが帰ってくることはなかった。
「これが本当に、最後の戦いよ! 絶対に先生を取り戻して、皆で文句の一言でも言ってやろうじゃない!」
システィ、ルミア、リィエル、ナムルス、イヴ、アルベルト。グレンを知る者たちは集結し、彼のため最終決戦へと挑む。
一方、グレンは《無垢なる闇》との孤独な戦いを続けていた。無限にも続く旅路の果てに、グレンが出会ったのは……。
ついに明かされる最後の真実。一人のロクでなし魔術講師が紡いできた“魔法使い”の物語が、今ここに完結するーー


最終巻。
長期連載のバトルファンジーの宿命、戦闘力と世界観のインフレーションという暴れ馬を危なっかしいながらも乗りこなし、主人公の窮地に歴代の仲間たちが次々と駆け付ける王道の展開に着地させた、作者と並々ならぬ熱量と苦労と、何としても全員が笑って終わるハッピーエンドにするのだという信念が感じられるフィナーレだった。
《無垢なる闇》の口調が小物臭がきつくてラスボス感がなくなってしまっているのが残念だったり、最後が元〇玉なのは流石にやりすぎじゃね?と思ったりもするけれど、最後は王道のど真ん中を突っ走る「これぞロクでなし」と言えるノリと熱量でゴールテープを切ってくれたのでそれだけで感無量。
ただ、どんなにいい終わり方でも腑に落ちない点が一点。
偶然の出会いに始まり、死ぬ直前に助けられその後育ててもらって、輪廻の末に再開する運命と正義に導かれた二人。という、最終回にして真のメインヒロイン扱いだったのが、、、なんでジャティスなんだよ! 作者どれだけジャティス好きなんだよw
グレン救出の陣頭指揮を取って存在感を発揮したはずのシスティーナが、完全に脇役で見事な引き立て役になってしまっているじゃないか。やっぱりこういう星の下に生まれたヒロインなんだな、白猫(泣)
完結おめでとうございます&熱い物語をありがとうございました。
最後にしてメインヒロインがジャティスなのには苦笑いしか出なかったので、追憶日誌での三人娘の(主にルミアの)活躍に期待しています。


24巻目にして公式であの制服を痴女扱いしたのはクッソ笑ったwwwww