いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー (7)」佐島勤(電撃文庫)

続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー(7) (電撃文庫)

シャンバラ探索から帰国した達也たち。USNAに眠る大規模破壊魔法[天罰業火]を封印するため、再度旅立とうとする達也に対し四葉真夜は出国を許可しない。達也を国内に留まらせ、国内の抑止力としたい四葉家の裏のスポンサー東道青波の意向に沿うためだ。達也としても東道との契約は無視できないものだった。
世界情勢も大きく変わろうとしていた。IPUがチベットに出兵し、大亜連合に対して宣戦布告したのだ。日本国内でも動きがあり、軍部を中心に達也を文民監視団として派遣しようと画策していた。
大亜連合でも引き続き達也の暗殺が企てられており、その足掛かりとして一条将輝に忍び寄る影が――。


前回のラストを受けて舞台は再びアメリカに……ならないんかーい!
達也に手枷足枷を付けようと内外問わず各陣営の思惑が交錯する、政治的な駆け引きがメインの話。なんて格好いい言い方をしても仕方がないか。作中のお偉方に作者まで含めて、達也を抑えるのに四苦八苦している様子が滑稽で苦笑いしか出ない話だった。
メイジアン・カンパニーは達也が主人公の本編の正当な続編で、達也がワールドワイドで縦横無尽に無双するのが楽しいシリーズなのに、そこを阻害しちゃいかんでしょ。それでなくても作者のいい人さが出てしまうのか、政治とか裏工作とかの話になるとあくどさが足りなくて途端につまらなくなるんだから。
今回も達也が珍しく自分の発言を後悔するという珍しい姿を見せつつ、結局その問題を力で蹂躙して解決していく達也無双が見どころだったし。
あと、見どころというと久々に登場したプリンス一条。
ものの見事にあっさりと敵の術中にハマりかかるプリンスは、期待通りと言えばいいのか残念さにがっかりすればいいのかw よくみたら裏表紙でラリっていらっしゃる。うーん、国内No.2のはずなのにこの安定したピエロっぷりよ。そもそも戦略級魔法師が東京のその辺のアパートで独り暮らししてて良いんだろうか?
次回、今度こそアメリカへ、一回引っ張った分、役者が舞台に揃ったので今度こそ盛り上がるはず。
過去の遺物から強力な力を得たディーンとローラにそれに協力する駐米中華系マフィアの三合会。対するはレナ率いるFEHRに米軍精鋭部隊スターズ。そしてそこに飛び込む達也たち。楽しみだ……どこから蹂躙されるかが←