いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「転生王女と天才令嬢の魔法革命8」鴉ぴえろ(富士見ファンタジア文庫)

転生王女と天才令嬢の魔法革命8 (ファンタジア文庫)

魔学都市の責任者として過ごすアニスのもとに、王城のレイニから手紙が届いた。ユフィが療養中になってということらしい。そこには、西部貴族の思惑が絡んでいて--
「どうして私は、貴女を虐げる国なんか守っているんだろう。そう、思ってしまったんです」「もう、西部は潰しちゃおっか」
二人の革命に、真っ向から対立する新たな勢力の存在。王になる意味を問われたユフィと、彼女に王を背負わせたアニスが出した。未来へつながる答えとは!?
未来を想う二人VS過去にすがる貴族。
王宮百合ファンタジー、矜持をかけた戦いが始まる!


国防を盾に利益を貪り悪事が蔓延する西部の貴族たち。先王が手を付けられなかった西部にメスを入れる8巻。国の未来のために、自分たちが居なくなった後の人々のためにアニスとユフィが奮闘する。
ユフィ視点がメインの回。腐り切った貴族が決意を固めた二人を揺り動かす、二人の内心に迫った内容。魔学と魔学都市は一旦お預けのため前巻に新章「魔学都市編」とあったけど、「パレッティア王国改革編」の方がしっくりくる。
闇落ちアニス怖っ!
単独で国を亡ぼせる国のツートップが、自分のことは我慢強いのにお互いのことになると沸点が恐ろしく低いという恐怖。そんな二人を怒らせる腐った貴族は粛清途中でまだまだいっぱい残ってる。この国、詰んでるなあ。選択肢を一つでも間違えたらバッドエンディング一直線な高難易度ノベルゲールを想像してしまった。割とクソゲーだわ(^^; こんな状態で、外敵はいるみたいなのに(国名出てこないけど)滅んでいないは、周りの国も自国の事でいっぱいいっぱいなのか?
そんなことより、今回メイン視点のユフィの話をしよう。
ユフィ視点だと普段のアニス視点に比べて、物語が全体的に静かで大人しい印象になる。
その分アニスへの愛と執着、自分への執着の無さと危うさがじわじわ来る。やっぱりユフィの方が愛が重い。
あと、他で目立っていたのが意外にもアニスよりもレイニ。ユフィの側付きとして、永い時を生きるもう一人として、二人を支える覚悟をしているレイニが頼もしい。ただ、お姫様抱っこする相手が違うのがね。。。イリアの出番が極端に減っているのが悲しい。
今回は、人と違う時間を生きることになった二人の関係性と覚悟を見つめ直す話、という感じだった。改革なんてさっさと終わらせて、末永くイチャイチャしてください!と言いたいところだけど、責任感の強い二人はやり遂げてからになるんだろうな。