いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件9」佐伯さん(GA文庫)

お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件9 (GA文庫)

誕生日を迎えた周は、真昼のおかげでたくさんの変化が生まれたことを実感し、こそばゆくも幸せを噛みしめた。
真昼が生まれた日にもありったけの祝福を贈ろうと決意して、準備に奔走する日々を過ごす周。
そんな中、進路を考える時期に差し掛かった二人は、一緒に暮らす未来を思い描き、受験勉強を乗り越えようと約束するのだった。
そして待ち望んだ真昼の誕生日。特別な一日にするべく、周はとあるサプライズを用意して……。
可愛らしい隣人との、甘くじれったい恋の物語。


真昼の誕生日のために奔走する周が大忙しな第9巻。
リサーチに始まり多岐にわたる準備に協力要請、手作りにする為の練習あれこれ、そしてサプライズの準備。その忙しなくも一生懸命な頑張りに、真昼に対する深い愛情が見える。周君、本当にお疲れ様&GJ!
さて誕生日本番は……の前に、まずはその前の日常の方を。
まさかの砥石女子高生再びw しかも挿絵付き。後ろで束ねた髪とちらりと覗くうなじがお美しい。
それはともかく、大きめのイベントは三者面談。
というわけで登場の母・志保子。毎度恒例の愛のある口撃……おお! 見事に捌ききってるじゃないですか、周君。これが持っているものの余裕ってやつか。精神的に余裕が出来ているのが頼もしいような、ちょっと残念なような。
一方、親の話題が出ると心がざわつくのが真昼。ここで一旦真昼の心を少し閉じさせてテンションを下げておいて、誕生会で一気に喜びと幸せを爆発させる演出がにくい。
そして、ついに迎えた誕生日。
部屋を飾り付けしてケーキに蝋燭を立ててな至極ありふれた、でも小さな頃の真昼がどんなに憧れても出来なかった“お誕生会”。今まで体験してこれなかった普通の家庭にある幸せを、今からでも味あわせようという周の気遣いで心が温かい。その後の、あれもこれもなプレゼント攻撃は若干暴走気味で苦笑交じりだったけど。締めのサプライズにはまさかのあの人まで召喚するし。
意外とお茶目なタイプだった。まあ小学生に「胃袋を掴め」なんて吹き込む人が真面目なタイプな訳ないか。作者こういうタイプの女性好きね。
最高にハッピーで終始微笑ましく見守っていられる温かい誕生日だった。これは真昼が泣いちゃうのも仕方がない。改めて周くんGJ! しかし、今回でこの気合の入れようなのに毎年のアップデートを約束して大丈夫か? 来年からすっごく大変だぞw
同棲にあの人への御挨拶にと色々と“予約”が入って今後も楽しみ。そういえばバイト参観もまだだったね。