いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「転生王女と天才令嬢の魔法革命11」鴉ぴえろ(富士見ファンタジア文庫)

転生王女と天才令嬢の魔法革命11 (ファンタジア文庫)

アニスとユフィの帝国での外遊は続いていた。クリスティンの誘いで、帝都の次に訪れたのは――帝国の海。
パレッティア王国ではまず見ることのない広大な海を前に息を呑む二人だがそこでアニスは一つの未来を夢想する。
「海の中には地上とは違った美しい景色があるんだ。だから、素敵な水着も作ってみよう。自由に海に入って遊べるような!」
海に危険な魔物が潜んでいる限り、王国も帝国も海を上手く開拓できない。だからアニスは魔法で新たな水着を作ることを決める。
美しい海を自由に泳げるような水着という夢に周りも感化されていき――もちろんデザインも可愛くするからね!


まだまだ続く帝国外遊。お忍びの皇帝と共に開発中の港町を視察する11巻。
初外交で基本真面目だった前話からは一転、夏だ! 海だ! 怪獣だ!なコミカル重視の回。うんうん、夏の海と言えば大怪獣だよね。わかっていらっしゃる。どこぞの王女が「脅威<<<素材欲しい」だった所為で、どちらが怪物かわからない状態だったけどw
もう一つ、夏の海で大事なアイテムの水着はまさかの開発から。言われてみれば魔物が居る世界で、海で遊ぶという発想は出てこないか。
そんな水着に限らず、港町の開発にしろ怪獣退治にしろ、海への印象が一人だけ地球ベースな転生者アニスが次々と(現代知識を)ポロリする、やらかし王女を楽しむ回だった。そういえばアニスって転生者だったわ。タイトルの頭に「転生」が付いているのに、不確かな知識だけでパーソナルが引き継がれていないからか、あまり転生者っていう感じがしないんだよなあ。
何にせよ、ここのところ立場に責任に仕事にと、抑圧されるものが多くて奔放さが影を潜めていたから、アニスが生き生きと好き勝手に動き回っているのが嬉しい。そしてアニスが動けば動くほど面白いのがこのシリーズ。サーペント相手に水中で大立ち回りする姿はまさに水を得た魚だった。それに水着開発お疲れ様でした&GJ! イリアさんの黒が最高でした。
イリアと言えば、今回はレイニとのイチャイチャタイムがメイド服であって水着であってと実に俺得。妄想が捗る。ユフィ×アニスもいいけど、イリヤ×レイニもいいよね。
そんなわけで今回は、奔放な主人公が暴れまわる原点回帰したような回だった。
流石にそろそろ帰るかと思ったら、帝国内で魔物絡みで大問題が勃発でまだ帰れない模様。魔物と政治の板挟みになる未来が見える。