「全ての色彩を重ね合わせると、白になる。ぼくが目指すのは、全ての種族が共に暮らす『白き国』だ」。無名荒野へ足を踏み入れた白猫隊は、領主不在であった城塞都市バードゥルガの攻略に成功する。時を同じくして無名荒野東部では、新たなジャムカジャ王フレルバータルが葡萄海を制圧するため5万の大軍を率いて西進を開始。その進路上には100名の白猫隊が守るバードゥルガがあった……。
超大型ファンタジー群像劇、愛と鮮血の第四弾!
戦力増強に無名荒野を行くガガ達白猫隊は300年ぶりに統一されたジャムカジャ族の大軍と相対することに。一方、ジャンジャックは黒薔薇騎士団での地位を得るためアルテミシアとルシファーと共に軍事作戦に。決戦への準備が着々と進んでいく第4巻。
という緊張感のある内容だったはずなのだけど、半分以上ラブがコメっておりました。
いや、平時ならどれだけラブコメしてくれてもいいのよ。ガガとノアの相変わらずのツン×ツンラブコメは楽しいし、ラギーがちやほやされたおかげでヤキモチシュシュ様という貴重なシチュも読めた。
でも、作戦直前に使者を切り捨てて一触即発の状態でそれをやるのは違うだろう。その所為でその後の戦闘シーンの緊張感が大分削がれてしまった気がする。戦いの規模と絶望感の割にふわっと始まってふわっと終わってしまった感覚。そもそも短かったのもあるけど。5万対百では奇襲で大将の首を取るしか勝ち目がないのは分かるけど、それにしても盛り上がるシーンが少なかった。今回衝撃だったのは一人の聖珠継承者の死のシーンだけかな。インパクトがあったのはキャラクターの性格に関してだけど。
バカやる時はやりすぎなくらいはっちゃけて、いざ戦時になるとどこまでも非道に残酷になる。その緩急が売りな作風だと思っているのだけど、今回は珍しくメリハリが効いていなかった。
大小遠近様々な不安要素を抱えたながらも、規模だけは大きくなったガガ達白猫隊。彼らが葡萄海へ目を向けたということは決戦の時は近い?