いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



葉桜が来た夏 (電撃文庫)

葉桜が来た夏夏海公司電撃文庫
葉桜が来た夏 (電撃文庫 な 12-1)

アポストリ──身体能力と科学技術に優れた、女性だけで構成される異星人。目が赤いほかは、外見的特徴は人間と同じ。琵琶湖周辺は彼らと人間が共存する居留区となっていた。
高校二年の南方学は過去に起きたとある出来事からアポストリを憎んでいた。ところが“共棲”と呼ばれる居留区のシステムに則り、一人のアポストリと同居することになる。彼女の名は、葉桜──評議長の姪でもある美しい少女だった。二人は激しくぶつかり合うが、その共棲にはある意図が隠されていて──。
期待の新人が贈る近未来ボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー登場!


これはなかなかの良質ボーイ・ミーツ・ガール。
それほど奇抜ではないけどよく考えられた世界観。それを上手く短く説明してくれているので、流れに澱みがなくて非常に読みやすい。またメインの二人のツンツンぶりがいい。ツン×ツンの組み合わせは、見てる(読んでる)ぶんにはホントに楽しい。当事者になったらハラハラものなんだろうけどw それにツン×ツンの組み合わせはくっついた時の結びつきが強いから好きなんだよなぁ。
ただ大筋は良かったのだけどちょっとあっさりしすぎな気も。もうちょっと肉付けが欲しかった。葉桜のキャラの掘り下げや家の中での学と葉桜の様子とかを増やしてくれれば、もっと二人に感情移入できたと思う。まぁ新人の作品で上下巻構成はもちろん、350頁超なんていう冒険は無理なんだろうから大分削ったんだろうけど。結局〈銀〉も出番がなかったし。
スルッと頭に入ってくる読みやすい文章が良いので、今後も追いかけてみたい作家さん。