いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



ハーフボイルド・ワンダーガール (一迅社文庫)

「ハーフボイルド・ワンダーガール」早狩武志一迅社文庫
ハーフボイルド・ワンダーガール (一迅社文庫 は 2-1)

「あたし……本当はちっちゃな頃から」
ずっと片想いだと思っていた女の子から受ける突然の告白――
そうして始まったのは、バラ色の生活ではなくて……事件だった!!
身に覚えのない嫌疑に戸惑う湯佐俊紀の前に現れた助っ人は、ミステリー研究会の会長・佐倉井綾であった。
推理に行動に何かと大胆な綾と、沈着冷静でちょっぴりヘタレな俊紀。そんな名(迷?)コンビで調査を開始するのだけど……。
PCゲーム『群青の空を超えて』『僕と、僕らの夏』などのシナリオを手掛けた、早狩武志が贈る青春ミステリードラマが一迅社文庫に登場!!
はたして、俊紀の潔白は証明できるのか?


うわー重てー。
事件そのものも重かったけど、それ以上に女の子の残酷さとか親の残酷さとかが現実的過ぎて凹むんだが。
それに初めからミステリのつもりじゃないんだろうけど、犯人は開始すぐに分かるのにその可能性に全く触れないのがあまりに不自然。いくら答えであっても一度はそこに触れておくべきだろう。
メイン二人のキャラクターは良かった。切れ者のようで意外と抜けてる佐倉井さんと普段ヘタレでもやる時はやる俊紀の凸凹コンビは、知り合って間もない初々しさと妙に息があってる感じの両方が出てて読んでいて楽しかったし、そこだけは重い空気を吹き飛ばしてくれるパワーがあった。もっと軽い事件だったら軽快に走り回る佐倉井さんと振り回される俊紀の掛け合いを素直に楽しめたのに・・・。
この作品はヘビィな内容が好みでは無かったが、この二人の別の事件は読んでみたい。