いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの (GA文庫)

迷宮街クロニクル (2) 散る花の残すもの」林亮介GA文庫
迷宮街クロニクル2 散る花の残すもの (GA文庫 は 4-2 迷宮街クロニクル 2)

『ノーモアクリスマス!』
この世で最も生と死を隔てる壁が薄い場所・迷宮街。そんな迷宮街にも、クリスマスはやってくる。
ひとえに探索者は外の住人よりも派手にイベントを楽しむ。ツナギをクリスマスカラーにしてみたり、「ノーモアクリスマス」と書かれたプラカードを持ってデモ行進をしてみたり。ただ、クリスマスの福音は、探索者に等しく届くわけではない。
死亡率14%のゴールドラッシュ。今日も様々な人間が、様々な理由で迷宮街を出ていく。ある者は幸せに、ある者は無言で。
書き下ろし短編「祭典の前夜祭」も収録した、現代のガリンペイロ達の物語、第二弾。

死が近い特殊な環境での人間ドラマを読む物語。


なんというボリューム。
0時半頃読み始めて、読み終わったら5時近くてビックリした。
450頁の上に日記調で会話が少ないから文字数が多い。300頁程度のラノベの2冊分以上の文字数がありそう。この本をペラペラ捲った後に「しにがみのバラッド。」を捲ると驚きの白さw
でも、たとえその量でも苦がなく読める確かな面白さ。
さて内容は、


あれ? 真壁ってこんなに落ち着いてた? それにこんなにいい男だったかな?
まずは親しい人の死に対しての真壁の動揺の少なさにビックリ。恐怖、動揺<<<自責とは。でもこれは成長じゃなくて麻痺か?
それから対女性の落ち着きぶりにビックリ。女性陣のからかいのあしらい方と、由加里と翠に対しての接し方は1巻の時の少年らしさは全くなし。真城姉さんを上手くあしらう姿は頼もしくもあるけど、少しはあたふたしてくれないと面白くないかなw 親しい二人に関しては、由加里は彼女というより妻、翠は女友達というより妹のような扱いになってるような。
この精神の成長は、たった数ヶ月なのにただ読んでいても何年も経っている様な錯覚を覚えるほどの濃密さによるものか、死が近いことである種の達観がもたらすものか・・・怖いところだな、迷宮街。
そんな主人公の落ち着きのせいか、はたまた重要なキャラでも簡単に死ぬことに慣れてしまったのか、動きが少なかったように思えた中編だった。後編はどうなる?・・・というか誰が死ぬのか戦々恐々です、はい。