いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



もふもふっ珠枝さま!〈3〉 (MF文庫J)

「もふもふっ 珠枝さま!3」内山靖二郎MF文庫J
もふもふっ珠枝さま!〈3〉 (MF文庫J)

ある日、智宏は珠枝がもふもふした小動物を拾ってきたせいでその妖怪を居候させることになる。あまりのもふもふさに心を奪われた珠枝に、すっかり構われなくなってしまった石の怪は悲嘆に暮れて智宏に泣きつく始末。はてさてそんな珍騒動をよそに、学校では守神のはずの珠枝がもふもふにうつつを抜かして登校してこなくなったおかげで静かな毎日……だったのだが、普段住みついている茶道室を真希とコヒロに占拠された先代の守神のマドカ。見かねた智宏が張りめぐらされた結界を破って中を覗き込むと……? はんなりスローライフ妖怪譚、またも一騒動!?


もふもふ頂上決戦が面白すぐるwww
その馬鹿馬鹿しさ、シュールさが最高。色々と大事なものをなくして勝利をもぎ取った石の怪に乾杯。ナイス自爆!w
と、ぶっ飛んだところはあったけど、今回はこの作品通じてのテーマである(と思う)妖怪と人間の垣根の話題が色濃く出た話。見える智宏と見えない瑞穂の対比から始まり、いつものドタバタをやりつつ話はマドカの過去へ。全体的には萌え一直線だった1巻に比べると2巻3巻と段々とハートフルに振れてきた印象。戻ってきたと言うべきか。
前回同様、いや前回以上に最終話(第六話)が良かった。
智宏の叫び(境の話)も良かったけど、その後の珠枝が智宏にかけた言葉が印象的。
智宏は『神様のおきにいり』の頃に比べて、周りを見る余裕と責任感も出てきて成長しているのは確か。でも、何でもかんでも自分で何とかしようとするところがあるから、それを諫めるのと気遣いが混じった「なんでも背負い込むな」の一言は心に響いた。その前の行動と合わせて、改めて珠枝がどれだけ智宏が大事なのかが分かる良いシーン。
八咫烏三姉妹の出番が少なかったのが個人的には残念だが、前半ののんびりな空気と後半の心温まる話を読めて今回も満足。
ところで、茶道室から解放されたコヒロ他2名のリアクションなしですか?