いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「夏海紗音と不思議な世界1」直江ヒロト(富士見ファンタジア文庫)

夏海紗音と不思議な世界1 (富士見ファンタジア文庫)
夏海紗音と不思議な世界1 (富士見ファンタジア文庫)

「あなた、うちの隊員にならない? なりましょうよ――ていうか、なれ! 探検隊員ただ今、ボシュー中。未経験者OKよ」
恐ろしく下手くそな字で〈探検隊、幕集中!〉と書かれた看板を掲げて意味不明な勧誘をしている夏海紗音。これが彼女との初めての出会い。第一印象は……変な女、だった。幕集中って……。このときは思いもしなかったさ、すでに僕は彼女の能力によって重複世界に誘拐されていたなんて。紗音によって僕のちっぽけな常識が粉々に破壊され、ゲシュタルト崩壊した世界観。信じられないことばかりだったけど、僕は紗音と一緒に世界を破滅の危機から救ったんだ。


空ではなく海でラピュタを探す話にパラレルワールドなど色々な要素を詰め込んでみました、みたいな。別のタイトルを付けるなら「不思議な海のラピュタ 〜夏海紗音の憂鬱〜」ってとこかな。ネタというかパロディ物として読めばそれなりに面白い。ただボーイミーツガールや冒険譚としてはどうかと思う。
好きな要素を詰め込むのは結構だがそのまとめ方が下手。中でもヒロインである紗音のバランスが悪い。
航海中は意外とリアリティある航行の描写と紗音の能力のファンタジーさがミスマッチ。目的地に着いてからは紗音の能力が万能すぎてどの場面もイマイチ盛り上がらない。ラストシーンは綺麗だったけど、それまでがそれまでなので(特に紗音の行動)そこだけ浮いているように感じる。
後はミズキの使い方が下手なのも気になった。ネタバレ→ミズキくんは絶対に女の子だと思ってたのに、まさかム○カだったとは。緊迫のシーンも別れのシーンもムス○にしか見えなくて笑ってしまったじゃないか・・・あ、これはニコニコに毒されている私が悪いのか、サーセン
1ってことは2が出るの? この終わり方で続けるのもどうかと。