いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「星図詠のリーナ3」川口士(一迅社文庫)

星図詠のリーナ〈3〉 (一迅社文庫)
星図詠のリーナ〈3〉 (一迅社文庫)

イーデンの王女リーナは姉王女パルヴィとともに、海運・海図の技術を習得するため隣国ビクラードを訪れる。
陸とは違う海の自然に心弾ませるリーナだが、苦手な姉姫とともにある窮屈な旅路と、陰謀渦巻く他国の宮廷狂言に気詰まりを覚える。
パルヴィの機転でようやく出航したリーナたちの船だが、予想外の相手との遭遇で海図作りの旅は一転。新たな冒険へと誘われていくのだが。
大人気マッピングファンタジー第三弾、いよいよ登場!

え? 終わり?
星図詠の意味やダールの腕の解決方法が分かって、物語の位置としてはこれから佳境へというところなのに。それに肝心の地図がまだ3分の2は白いのに・・・。


3巻も変わらず面白かった。
一国の姫としての苦労や、壮絶な海戦、壮大でロマンチックな竜の最期など、純然たるファンタジーとしての要素も良いが、やはりリーナが測量をしている時や自分自身の地図を描いている時の、他のファンタジーとは異質のワクワク感がたまらない。特に今回は、前半で馬車の中や王宮で抑圧されていた分、外に出てからのリーナがいつも以上に生き生きと感じられたのが印象的だった。
予想外に楽しめたのが姉姫パルヴィ。これは良いツンデレでいらっしゃるw デレの見せ具合が僅かなのが素晴らしい。王都に戻っても何か理由をつけてリーナに会いに行きそうだな、この人。
ラストもリーナらしく前向きで、少し甘酸っぱくて読後感も最高。なのだが・・・
大好きなシリーズなだけに、こんな中途半端なところで終わってしまうのが本当に残念でならない。