地震、台風などと同じく自然災害の一種として“怪獣災害”が存在する現代。有数の怪獣大国である日本では気象庁内に設置された怪獣対策のスペシャリスト集団“特異生物対策部”略して“気特対”が、昼夜を問わず駆けまわっている。多種多様な怪獣たちの出現予測に、正体の特定、自衛隊と連携しての作戦行動……。相次ぐ難局に立ち向かう気特対の活躍を描く本格ＳＦ＋怪獣小説！
おおう、ウルトラＱの世界だ。
確かにＳＦ怪獣小説ではあるけれど、主体は人間ドラマ。
破壊活動等の被害は記号的に表されるので怪獣映画のような恐怖・スリルは薄いものの、怪獣に対処する現場の人間の危機感や緊張感はひしひしと伝わってくる。そんな手に汗握る話の連続で、面白くて一息で読みきってしまった。
全五話どの話も面白かったが、メインキャラの一人である灰田が彼女と怪獣に対峙する第三話が一番のお気に入り。
彼女さんいい性格してるわｗ それに基本的に気特対機動班員の目線でしか語られないものが、この話だけ一般人である彼女の視点があるのが良い。
第五話だけ少し毛色が違って戸惑ったが（神話の講釈が長々と続くところはちょっとなぁ）、どの話もエンターテイメント性が高くで特撮モノへの愛も感じられて非常に楽しかった。
一話完結型だからいくらでも続けられそうだけど、続きはあるのかな？
