いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「テルミー きみがやろうとしている事は」滝川廉治(ファミ通文庫)

テルミー きみがやろうとしている事は (スーパーダッシュ文庫)
テルミー きみがやろうとしている事は (集英社スーパーダッシュ文庫)

修学旅行での事故で失われたひとつのクラス。
当日欠席したことで事故をまぬがれた少年・清隆は、ただひとりだけ生き残った少女・輝美が、亡くした恋人の遺品を持ち出したことに困惑する。問いかける清隆に輝美は、自分の中に亡くなったクラスメイトたちの最期の願いが残されていることを伝える。少女はその想いをかなえようとしていたのだ。清隆は自分にも手伝わせてほしいと申し出るが…。
悲劇から始まるやさしさの物語、読んでください。


24人の死と約束されたハッピーエンド。この滑り出しなら泣けると思ったのだけど・・・。
間違いなくハートフルないい話ではあった。
亡くなった人の想い叶える話ではあるが、それをただ押し付けるのではなく、残された人がどう思うかどうするのかを重点を置いていてくれるので、とても切ないがやさしい。
でも、これはハッピーエンドなのか?
想いを果たせたのはまだ5人。輝美の気持ちも救われてはいるが、まだ納得しきっているとも思えない。
あと19人が終わったらハッピーエンドを迎えられる?(でも、もう刊行から9ヶ月空いてるから続きはなさそう)
それに、やりきったらテルミーが消えてしまいそうな気がしてならないのだけど。自分の想像力ではどう考えてもハッピーエンドには結びつかない。
好みの話ではあった。ただ「どんなハッピーエンドを見せてくれるのか」と冒頭でした期待が大きすぎたかもしれない。