いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「明日も彼女は恋をする」入間人間(メディアワークス文庫)

明日も彼女は恋をする (メディアワークス文庫)
明日も彼女は恋をする (メディアワークス文庫)

『過去の改変』から戻ったわたしに待っていたのは、彼の消失だった。そして、もうひとつ。わたしの歩けなかった足が、元通りになっていた。わたしが歩き回る姿に、島の住人は誰も驚いていない。慣れきっている。そして、この世界の『現在』では、彼は九年前に死んでいた。その蔓延する常識が、わたしを苛み、蝕んでいく。わたしが歩ける毎日。それは彼が死んだ現代。まるで別の星へ飛んできてしまったようだった。決めた。わたしは必ず取り返す。わたしと彼がいた世界を。必ず。
『昨日は彼女も恋してた』と上下巻構成。

何を書いてもネタバレになりそうでもの凄く書きにくい(^^;



表紙で「誰?」とは思ったけど、そういう仕組か。
ありがちなトリックなのに全く気付かなかった。違和感を感じさせず最後までいった上巻に改めて驚いた。
と、ここまで見事に騙されたことにはある種の感動を覚えたけれど、話の内容はあまり好きじゃない。
まずは上巻との空気の違いに驚き、読んでいる最中は上手くいかない彼と彼女それぞれの行動と、交わる気配のない展開に焦燥感が募り、読み終わった後は二人の想いが重すぎて気持ちが沈む。
強い想いは感動を呼ぶけど強すぎる想いは毒だな、と。
1月に出る『時間の落とし物』がタイムトラベルものの短編集らしいのだけど、今作の補完とかされてないのかな。