いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。3」左京潤(富士見ファンタジア文庫)

勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。3 (富士見ファンタジア文庫)
勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。3 (富士見ファンタジア文庫)

勇者試験目前で魔王が倒されてしまい、勇者になれなかった少年ラウル、父親である魔王が倒されて居場所がなくなった魔王の娘フィノ、そしてラウルの勇者予備校時代のライバル・アイリの三人は、王都にあるマジックショップで、なぜか一緒に働いていた。そんなある日、店長の提案で三人はミスコンに出場することになって――。
「……ミスコンって、女の子がでるコンテストですよね?」
「ええ、おちろんそうですよー」
「俺っっっっ、男なんですけどっっっ!!!!!?」
勇者の卵と魔王の卵が織りなす、ハイテンション労働コメディ!!


わーい、水着だー(棒)
水着+軽くTSものというラブコメのお約束イベント回だったわけだけど……ラブコメのコメ、というか微エロコメが下手だなあ(^^;
サンオイルや店長の作戦などのあからさまなサービスシーンの中身がやけにあっさりしているところを見ると、作者はこういうこと苦手そう。この手のシーンになるとやたら描写が濃くなったり悪ノリしたりする作家とは別の人種ねw
それにTSもの方も店長と入れ替わったラウルが終始テンパってるだけで、TSものの醍醐味が全く味わえないという。
そもそもがあからさまなサービスシーンが作品の雰囲気にそぐわないんだよなあ。この作品でやるなら水着ミスコンじゃなくて絶対海岸清掃だった。編集は何もわかっていない。あとがき読んでイラッとした。
それを引きずったのか、後半の事件も微妙。
人質を取られたり、ゴーレムが暴れだしたりともっと緊迫感があっていいはずなのに、何故かみんなして気が抜けている。それに解決もあっさりでフィノやアイリと何か進展があったわけでもなく、なんだかなあという感想しか出てこない。
ラウルが接客態度でアイリを諭すシーンや、フェノとアイリが好きについて語るシーンなど部分的には良いところもあったが、全体的にはこれまでで一番残念な出来だった。
次は妹登場。変なサービスシーンは要らない。ハートフル方向であってくれ。