いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「空戦魔導士候補生の教官1」諸星悠(富士見ファンタジア文庫)

空戦魔導士候補生の教官1 (富士見ファンタジア文庫)
空戦魔導士候補生の教官1 (富士見ファンタジア文庫)

≪魔甲蟲≫という脅威によって地上を奪われ、天空の浮遊都市に人類が住まう世界。人類は魔力を持って≪魔甲蟲≫に対抗するウィザード――空戦魔導士を生み出していた。
空戦魔導士育成機関である学園浮遊都市《ミストガン》に通うカナタ・エイジは、《黒の剣聖》の称号を得たS128特務小隊のエリートエース。しかし今では「特務小隊の裏切り者」と蔑まれる嫌われ者で……。
そんなカナタが、ある日連戦連敗のE601小隊の教官に任命される。小隊には一癖ありそうな3名の少女がいて――?
裏切り者と落ちこぼれ少女たちの快進撃が、いま始まる!

第24回後期ファンタジア大賞 金賞作品。



同じ富士見で例えると「蒼穹のカルマ」を真面目にして少し「氷結結界」を混ぜたような世界観。そこである事情で裏切り者と謗られる元エースが落ちこぼれの部隊の教官を務める物語。
世界観、キャラクター、展開と少々ベタだという点を除けばどこをとっても文句はない、、、プロットの段階では。
諸設定、ようするに初めから決まっているものの説明は特に問題ないが、状況描写やキャラクターの表情や心理などのそこで起こっていることを説明するのが苦手なんだろな、これは。
おかげで、特訓があるのに成長が感じられなかったり人間関係も実力も変化が突然で首を傾げるし、ピンチでも俺TUEEE!してもイマイチ盛り上がらない。
そして何より美少女がメイン3、サブ3と6人も出てくるのに、魅力が全然伝わってこないのがライトノベルとして致命的。ミソラとユーリは好みの性格のはずなんだけど、惹かれる所作が出てこないだよなあ。
地の文の三人称から突然一人称になる不安定さも含めて、残念ながら「文章が下手」という結論しか出てこないです、はい。