いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「不完全神性機関イリス5 154cmの花嫁機関」細音啓(富士見ファンタジア文庫)

不完全神性機関イリス5 154cmの花嫁機関 (富士見ファンタジア文庫)
不完全神性機関イリス5    154cmの花嫁機関 (富士見ファンタジア文庫)

俺・凪とダ家政婦・イリスが見た光景。数億……いや、それを遥かに上回る数の幽幻種の眼が放つ光により深紅に染まった空。それは俺たちと幽幻種との最後の戦いの予兆だった。
俺たちは、たったひとつの希望“氷結結界”を完成させるまでの12時間、最後の抵抗を決意する。シィ、いいんちょ、ミカエルの活躍。機神たちの連携、チビ聖女の沁力、ツァリの超常の力。すべてがかみ合い儀式の完成は目前だった。なのに――
最後に現れた“絶望”を前に、イリスは俺に言ったんだ。
「もし、この戦いで生き残ることができたら……私を――」
想いは千年の時を超える。人と人型機械体の物語、完結!


これはハッピーエンド……なのか?
凪が無事な理由はちゃんと説明されているんだけど、どうにも現実感がない。悪い言い方をすれば取って付けた感が拭えない。それに凪が『氷結結界のエデン』で主人公たちと会う時ってイリスはペンダント状態のはずでは。ラストシーンはそれよりも後なのか? うーん、わからん。
そんな記憶の曖昧さも手伝ってか、堕ちた後のことは全部凪の夢なんじゃないかという気がしてならない。


……あ、悩ましい終わり方だったのでいきなりラストを語ってしまった。
今回は400頁超の大ボリュームで送る最終巻。
それでも幽幻種の大攻勢が始まってからはダイジェスト展開というスピード仕様。ここをしっかり描いたらページ数がさらに嵩んで本が鈍器になるんですね、わかりますw
それにしても凪のモテっぷりと言ったら。緊急時なのでいつもほどコメディ色が強くない分、ラブ度が上がっているという。爆はt……イリスにミカエル、半分は人外か。ぶっちゃけサラもほぼ人外だし、許そう。
個人的にはポディション的にも戦力的にも早々に消えるだろうと思っていたシィに、最後まで活躍の場があったのが嬉しい誤算。エプローグ後にいいんちょ共々どうなったかが気になるが。
前述のとおり形としてはハッピーエンドでも、なんだか腑に落ちない。スッキリしたエンドは後2巻のエデンに託そう。