いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔王が多すぎる世の中に告げる! (1)」甘宇井白一(オーバーラップ文庫)

魔王が多すぎる世の中に告げる 1 (オーバーラップ文庫)
魔王が多すぎる世の中に告げる 1 (オーバーラップ文庫)

「最近の流行りは勇者と魔王の和解エンドだろ。何で俺が収拾つけなきゃならねえんだ…!」
合馬学園2年G組のクラス委員長、一叢英(ひとむらあきら)の毎日は忙しい。世界滅亡したがるクラスメイトをなだめ、クラスメイトが滅ぼした街に出向いて後処理、クラスメイトに殺されたりもする。
なぜなら彼はただの人間で、クラスメイトは全員魔王だったから!
ある日、G組に金髪の美少女・千歳カオリが転入してくる。彼女は背中に黒い翼を生やした――やっぱり魔王だった。
「魔王の転入生にはもう飽きてるんだよ畜生…!」
35人の魔王と1人の一般人による、勇者不在の魔王が多すぎる学校生活スタート!

OVER LAPキックオフ賞特別賞


よく死ぬ主人公だな、おい!
主人公以外みんな魔王、しかも誰もが魔王らしくトンデモ能力を持っているので、度を越して“なんでもあり”のドタバタコメディ。
また、その魔王たちを相手している主人公が非常にパワフルな為、熱血先生ならぬ熱血委員長が吼える青春学園ドラマでもある。過剰演出気味のところとか、いい意味での暑苦しさなど70〜80年代の青春ドラマの様な空気を感じる。
ただ、その過剰演出、わざとらしさがちょっと鼻につく時があるかな。
主人公が必要以上にイライラしていたり、最後のエピソードの敵がどうぞ攻略してくださいと言わんばかりの回りくどいことをしていたり。
楽しそうな雰囲気と勢いは良かった。もう少し理由付けや説明が上手いとなお良かったが、特別賞にそこまで求めるのは酷か。