いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「つくも神は青春をもてなさんと欲す2」慶野由志(スーパーダッシュ文庫)

つくも神は青春をもてなさんと欲す 2 (スーパーダッシュ文庫)
つくも神は青春をもてなさんと欲す 2 (つくも神は青春をもてなさんと欲すシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫 け 1-2)

物の修理が得意な高校生・物部惣一は、激動の「村正事件」を乗り越え、茶釜の付喪神・つくもたちと騒がしくも心温まる日々を送っていた。ある日惣一たちは粋華に頼まれ、ある付喪神を鑑定する。つくもの見立てでその正体は『打ち出の小槌』の付喪神と分かるが、突如その小槌を狙った忍者に襲撃される。さらにその後、惣一に不運による深刻な金欠という最大の試練が訪れる。やむなく喫茶店でバイトを始める惣一だが、店長の妹、四画崎比良がなぜか敵意を向けてきて…!?


おかげさまで無駄なバトルが無くなって、すっかりホームコメディの様相を呈してきた2巻。
その一番顕著な例が村正(一巻の元凶)。いい父さんじゃないですか!
その他の付喪神たちも変わらず魅力的。愛玩動物つくもちゃんに、意外な優しさと相変わらずのちょろさで楽しませてくれるアンジェ。ツンデレツインテというベタなキャラながら、素直モードになると突然可愛くなる新キャラの比良。もう一人迷惑なおっさんも居たような気もするが、キャラ絵がない奴はほっとこうw
人間の方ではやっぱり鞘音が可愛い。
その可憐な弱々しさが庇護欲を刺激しまくる。粋華の「ついお持ち帰りしたくなる」発現に激しく同意。ただ、警戒心のなさとピュアさで、かえってラブな雰囲気からは遠ざかってしまっているが。まあ家族>恋人だよね。
と、キャラクターの描写は上手いのだけど、ストーリーの作りはやっぱり下手かな。
書きたいことはわかる。絆を強くするためには喧嘩することも大事だ。でも、そこへの持っていき方が強引で、喧嘩中の惣一の心情も不自然。そのため解決した時の感動も説得力も薄くなってしまっている。
それでもバトルがなくなってキャラクターの個性とメインテーマにズレがなくなったので、1巻よりも良かった。
続くのかな? 鞘音が幸せになっていく姿は追っていきたい。