いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「あまからカルテット」柚木麻子(文春文庫)

あまからカルテット (文春文庫)
あまからカルテット (文春文庫)

女子中学校の頃から仲良し四人組の友情は、アラサーの現在も進行中。ピアノ講師の咲子、編集者の薫子、美容部員の満里子、料理上手な由香子は、それぞれ容姿も性格も違うけれど、恋に仕事に悩みは尽きず…稲荷寿司、甘食ハイボール、ラー油、おせちなど美味しいものを手がかりに、無事に難題解決なるか!?

4人の仲良し女友達が一目惚れした男性や昔遊んだ友達などの尋ね人を、食べ物を手掛かりに探し出す話四編+一編の連作短編集。



なんかちょっと、違う。
解決の糸口が見つかって一番ワクワクしたところで、すっと飛んで結論を出されてしまって拍子抜けするというパターンが続いた。
話は基本的に恋愛絡みなのだから、結果よりも経過を楽しみたいのに。犯人探しのミステリじゃないんだから、尋ね人を隠しても意味ないと思うんだけど。
そんなわけで、経過も丁寧な「胸騒ぎのハイボール」は良かったけど、それ以外はイマイチ楽しめなかった。それにラストにある表題作は、自分勝手な人たちの迷惑な行動を四元中継で見せつけられるので、どんなに最後が良くてもあまり良い読後感にはならなかった。
作者が書きたいところと自分が読みたいところ、感性というか考え方が少しズレていたような気がする。