いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「世界で2番目におもしろいライトノベル。」石原宙(ダッシュエックス文庫)

世界で2番目におもしろいライトノベル。 (ダッシュエックス文庫)
世界で2番目におもしろいライトノベル。 (ダッシュエックス文庫)

『お前、主人公にならないか?』『…は?』ラノベ叩きが趣味の影の薄い高校生「灰川祭」はある日、”現世に戻ってきた、ラノベの元主人公”4人と出会う。非日常に飽き飽きした彼らは、平凡な日常を取り戻すため、祭に、どんな凡人でも主人公にしてしまう“英雄係数(メサイアモジュール)”をもらってくれと頼む。最初は断る祭だったが、“元魔法少女”でありクラスメイトの「夏恋」の危機を救うため、4人全員の英雄係数を引き受けると、世界が一変! 元主人公たちを脇役に従え、ラノベの最強主人公になってしまう…!! ライトノベルへの愛と憎しみに満ちた、抱腹絶倒学園ラブコメ、新発売!!


あー……うん。いや、特に悪くはなかったんだけどね。
ヘタレ主人公は男を見せるまでに成長するし、ヒロインは普通に可愛かったし、ラブコメとして一定水準以上のもだとは思うんだ。
ただ、あまりにも出だしのインパクトが強すぎた。
主人公のラノベ批判ブログから始まるのだが、これがめっちゃ面白い。そこそこの数のラノベの読んでいる人なら少なからず感じていることを、面白おかしく強烈に切ってくれているので爽快かつ愉快(・唐突なジョジョネタ の項目は吹いたw)。その後もしばらく主人公によるラノベ揶揄が続いたら、最近のラノベのお約束をぶった切り、多方面にケンカを売りながら話が進んでいくものだと思うじゃない。そりゃあ期待度マックスですよ。
ところが、その後の話のいたって普通。
ブログの印象が強烈だっただけに、普通にラノベ主人公への道を歩み始めた主人公に対して「ひよったな」という印象しか受けなくなってしまった。世界を救った主人公のその後を追う物語が、最近ではさほど珍しくないのも災いしたかな。
面白かったとは言える。でも、激辛ラーメンを頼んだのに辛くない普通に旨いラーメンが出てきた感じ。