いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「倒れるときは前のめり」有川浩(角川書店)

倒れるときは前のめり
倒れるときは前のめり

日々の生きるつれづれ、創作の裏側、大好きな本や映画のこと、「児玉清さんのこと」をはじめとした敬愛する人びと、ふるさと高知のこと、etc.
デビュー書籍刊行前の2003年〜現在までの、想いがこもった全94本+小説2編
現在入手困難な「ほっと文庫」に収録された短編「ゆず、香る」と、片想いがテーマの恋愛掌編「彼の本棚」も特別収録。

著者が各所で書かれていたエッセイをまとめたエッセイ集。
小説読みとしては、特別収録の『彼の本棚』と『ゆず、香る』がメインディッシュ。
恋が始まる予感の話と、止まった恋が動き出す話。どちらの甘味も大変美味しゅうございました。『彼の本棚』の方はどこかの編集者さん、先生に発破かけてください。お願いします。
さて、本題……の前に一つ。
初出掲載誌の情報は巻末一覧ではなくタイトルの下に欲しかった。
別の所で書いている話をまとめているので同じ話が続いたり、その雑誌で書いていることが前提に書かれているエッセイがあるので、時々「ん?」と立ち止まってしまうのがあまり気持ちよくない。
で、肝心のエッセイは、
小説作品を読んで感じていた「自分の主義主張は声を大にしてはっきり言う人」のイメージそのままの、むしろそのイメージをより濃くするようなエッセイの数々だった。
その中でどうしても反応せざるを得ないのが、本の批評の話。
読書家・児玉清さんの話題や『「嫌い」と公言 慎みたい』、ずばりネット批評をテーマにした『匿名の毛布』。
こんなブログを書いている身としては大変耳が痛く考えさせられる話だった。
これを機に嫌いや批判は止めにし……ませんよ!
分不相応にPVが回るこのブログだが、長く続けていること以外に、好き嫌いをはっきり書いているからこそ読んでくれている人がいると思っている。自分が本に限らずネットで商品を選ぶ時に「良いことしか書いてないレビューは信用しない」ことにしているので、このブログもその思想(というほど大袈裟なものではないが)で書いているつもりである。
学生時代、少ないお小遣い・仕送りの中でやり繰りして買った本が面白くなかった時のがっかり感。当時ネットはまだまだ発展途上で回避する方法は少なかったが、今ならいくらでも調べてから買える。おっさんラノベ読みとしては、あの想いを若者には味あわせたくないから、その一助となる可能性が少しでもあるなら駄目も嫌いも言い続けたい……というのは建前で、ライトノベルは好き嫌い以前の問題で「これで金をとるのか?」レベルのハズレの確率が高すぎて聖人君子じゃやってられんわ!
酷評によって作者が傷つくのは否定しようもない事実だが、逆に酷いものを読まされたら読者だって傷ついている。怒りや虚無感*1、お金、時間。失うものはいくつもある。
そんな訳でこれからも、
好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、良いものは良い、駄目なものは駄目とはっきり言っていく所存であります。




……って、これレビューじゃねえ!
まあ、読書感想文ではあるか。
小学生だったか中学生だったか、先生から「あるシーンでどう思ったかで終わるのではなく、そこから自分のことに結び付けて話を広げろ」と言われた記憶があるので、読書感想文の書き方としては間違っていないと思う。主義主張が自分のしていることの正当化だから内容は最低だけどねw

*1:当然だが主人公などに共感したものは別。それは感動の一つ