いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「死んでも死んでも死んでも死んでも好きになると彼女は言った」斧名田マニマニ(ダッシュエックス文庫)

死んでも死んでも死んでも死んでも好きになると彼女は言った (ダッシュエックス文庫)
死んでも死んでも死んでも死んでも好きになると彼女は言った (ダッシュエックス文庫)

俺の初恋相手、支倉由依は毎年夏の三ヶ月間だけ、生まれて死んでを繰り返す。
――六月。夏祭り実行委員活動に追われる日々。仲間たちの声。
――七月。由依の生意気で頼りない瞳と、初めての恋。
――八月。雨の味のキス。夜空を彩ったあの打ち上げ花火。
すべての日々がかけがえなくて、甘く切ない思い出に満ちていた。
そして最後に、心をえぐられるような別れの瞬間が訪れる。
それでも俺はこの想いを決して手放さない。
「死んでも死んでも死んでも死んでも好きになる」と、彼女が言ってくれたから――……。
一瞬の命を恋で燃やす、今世紀もっとも泣けるラブコメディ。

竹岡美穂先生のカラーイラストはいつ見ても色使いが繊細で素敵だなー(遠い目)


で、何を繰り返すって? 酷いあらすじ詐欺&帯詐欺を見た。
いや、中身がそれ以前の問題か……。




以下酷評



無い無い尽くしの中身スッカスカのラブコメもどき。
シーンに繋がり無し。
イチャイチャするシーンばかりが切り取られていて、あまりに話に繋がりないので、モテない中学生男子の妄想ノートを垂れ流しているのかと思った。
恋愛模様無し。
ブコメの醍醐味と言えば恋の過程を楽しむことであるが、いきなりヒロインの好感度Maxからスタートで過程も何もない。しかも彼女が彼を好きになる理由が最後の最後に後出しなので、読者は完全に置いてけぼり。
設定に必然性が無ければ存在意義も無し。
あらすじには冒頭に堂々と書かれている生と死を繰り返す設定であるが、本編では何の前触れもなく突如湧いて出る謎設定。しかも作中では生と死を繰り返すことなく普通にひと夏を過ごして終わった。なんだそれ。
もう全てにおいて一切の説得力がない。説得力のないものに感動があるわけがない。
帯では「今世紀、もっとも泣けるラブコメディ開幕。」なんて大それたことを謳っているけど、これでどうやって泣けと?