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「ソードアート・オンライン19 ムーン・クレイドル」川原礫(電撃文庫)

ソードアート・オンライン19 ムーン・クレイドル (電撃文庫)
ソードアート・オンライン19 ムーン・クレイドル (電撃文庫)

アンダーワールドは、三百年に及ぶ争乱の果てに、ついに一つになった。どこからともなく現れた、たった一人の“ベクタの迷い子”が暗黒の神を倒し、この世界に平和をもたらしたのだ。しかし、そんな人界の中枢、白亜の塔“セントラル・カセドラル”にて―。“整合騎士見習い”へと昇進したロニエ・アラベルは、人界の最高意志決定者“代表剣士”キリトから、衝撃的な言葉を耳にする。「―いずれもう一度戦争が起きる」“アンダーワールド大戦”のその後を描いた《アリシゼーション編》最後を飾るエピソード!

なーんだ、SF編じゃないのか。あの壮大な前振りはしばらくお預けなんだね。
キリト先生は一人ジェット機作って遊んでたけど。この人ホントになんでもありだな(苦笑) 一応これが18巻のプロローグIIIに繋がっているんだろう。
そんなわけで《アリシゼーション編》の後日談的エピソード前編。
18巻の第二十三章とエピローグの間で、時代はキリトとアスナアンダーワールドに囚われてすぐ、一緒に戦った仲間たちがまだ生きている時代。内容としては平和になったアンダーワールドでシステム上有り得ない殺人事件が発生しそれを追う探偵ものらしき話で、圏内事件(8巻)に近いタイプ。但し、相棒はアスナではなく元・傍付きのロニエ。久しぶりにアスナとのイチャイチャを期待したんだけどな。このタイミングでないとなるともう本編では無いかな。プログレッシブでなら拝めそうだけど(出るかどうかは知らん)
ストーリーは当然事件の真相を追いながら進むが、叶わぬ想いを胸に秘めた少女の切ない物語が本題だった。
キリトに想いを寄せるロニエと亡きユージオに想いを寄せていたティーゼ。決して届かないと分かっていても目の前に相手がいることと、もう会えないけれど踏ん切りを付けやすい状態にはあること、どちらがいいのか。難しいな。どちらかの状態になったら相手の方がまだ良いと思うんだろうな。そんな恋に悩むロニエには目に毒な赤ん坊を二度も抱かせるとは、川原先生も中々人が悪い。  
後編は事件の顛末もだがロニエが出す答えも気になる。