いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ 辻村七子(集英社オレンジ文庫)

宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ (集英社オレンジ文庫)
宝石商リチャード氏の謎鑑定 導きのラピスラズリ (集英社オレンジ文庫)

銀座の店「エトランジェ」を閉め、正義の前から姿を消してしまったリチャード。新たな店主として現れたリチャードの師匠、シャウルから情報を得た正義はイギリスへと向かう。リチャードの秘密の原因となった何かがある国へ。旅の途上、リチャードの親族と名乗る男ジェフリーが正義に近づいてきて? 美しき宝石商を苦しめる過去の因縁と、「正義の味方」の決断は!?

正義、イギリスへ。
これまで何人もの悩みを解決してきたバカ正直でお人好しな正義と負けず劣らずのお人好しなリチャードが、今回ばかりは自分たちお互いの為にその能力を発揮する話で、切なくも優しい物語だったとは思うのだけど……
ボーイズラブの要素が突然濃くなって激しく困惑した。ってのが一番の感想。
別に変な意味じゃなく「愛」の物語だという事も、本人たちにその気(け)は無いことも重々承知しているはいる。でも逆にその気が無いのが分かっているからこそ、何度もそっち系の話題に持っていくのが鼻についたのかもしれない。集英社オレンジ文庫はどちらかと言えば女性向けだと思っているし、このシリーズがそういう要素を含んでいたことは承知で読んでいたけど、今までは軽く匂わす程度だったんだけどなあ。こういうのって軽く匂わす程度だから想像の幅が広がっていいじゃないの? 3巻までは万人受けだったけど、今回ばかりは属性なしの男子が読むには少々ハードルが高かった。
最終回っぽい終わり方ながら、終わりとは明言はされていないが果たして続きはあるのだろうか。前の形態に戻るなら読みたいし、谷本さんとの関係も気になるところだが。まあ友達関係以上には発展しそうにかな(苦笑)