いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「りゅうおうのおしごと!9」白鳥士郎(GA文庫)

りゅうおうのおしごと! 9 (GA文庫)
りゅうおうのおしごと! 9 (GA文庫)

夜叉神天衣。
わずか十歳にしてタイトル挑戦を決めたシンデレラは、両親の墓の前で誓いを立てていた。
「お父さま、お母さま。必ず女王のタイトルを手に入れます……私たちの夢を」
しかし彼女の前に立ちはだかるのは、史上最強の女性棋士にして師匠の姉弟子――空銀子。
二人が争うのは女王のタイトルだけなのか、それとも……?
《浪速の白雪姫》と《神戸のシンデレラ》が遂に激突! アニメ化も果たしますます過熱する盤上のお伽話、家族の絆と感動の第9巻!
シンデレラの頬を伝う一筋の涙を、若き竜王の飛車が拭い去る――!!

二番弟子の天衣がマイナビ女子オープンを勝ち上がり、初めてのタイトル戦に挑むシリーズ第9巻。
そんなわけで今回は天衣が主役。なんだけど、今回はかなり八一が主人公してた。
悲惨な敗戦からスタートするタイトル戦。弟子が自分と同じ境遇に立たされた時、アドバイスも励ましも決して直接の言葉では受け取らない素直じゃない天衣に対して、思考錯誤する八一の姿が印象的。
自身の防衛戦で得た経験と受けた恩を自分らしい形に変えて天衣に伝えようとする八一の姿に、彼の成長を感じると同時に、そのやり方に過去のあのシーンやあのシーンが思い浮かべられて、師弟の絆と一門(かぞく)の愛がつまっていた。これはサブタイトルに〜受け継がれていくもの〜と付けたいな。
そして、それを受け取れるくらいには素直になった天衣ちゃんは……か、かわいい。やはりデレ期に入ったツンデレの右に出るものはなしか? 某ヤンデレさんとか普通に勝ち目なさそう。堂々の参戦宣言で次からはそちら方面も目が離せない。(万智さん頑張れー)
さて、そんな天衣の挑戦を受けた銀子の方は、
6巻に続き、またしても精神崩壊フラグが立っていて怖い。目標(八一)に辿り着く前に壊れる予感しかしない。