いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「百錬の覇王と聖約の戦乙女18」鷹山誠一(HJ文庫)

ユグドラシル最大の決戦、その行方は!?
大陸の覇権を目指す《炎》の信長と、大陸の救済を目指す《鋼》の勇斗。両雄が神都の南で相対する一方で、宗都イアールンヴィズでもリネーアが猛将シバによる襲撃を受けていた。かつてない強敵たちとの戦いの中で、果たして《鋼》は人々を護り切ることができるのか!?
ユグドラシル崩壊の序曲が響く中、史上最大の決戦は佳境へと向かっていく――


攻める《炎》信長と、守る《鋼》勇斗。ついにやっとようやく双方の大将が動き出して、本格的に最終決戦が始まった18巻。
信長の弱点ってそれかー。
前巻ラストの勇斗の思わせぶりな台詞から一番の関心事だったのだけど、思ったより普通だった。現代人と戦国武将の視点の差や知識の差から、何か見出したのかといろいろ想像を膨らませていたのだが。いや、本命の策は最後にとってあるという可能性も……なさそうだなあ(^^;
そもそも勇斗はあまり勝つ気がないような印象だった。勝つためではなく、民が移動する時間を稼ぐための戦いをしている。大陸からの脱出が最終目標である以上、決着をつける必要はないってことなのかな。勇斗の性格や戦略上、正々堂々正面からというのはないとは思っていたが、勝つ気では戦うものだと思っていたので、拍子抜けした部分がある。
そんな消極的な戦いだったからなのか、天にも見放されあちこちで窮地に立たされた《鋼》。この局面をどう乗り切るのか、次回は勇斗の活躍に期待したい。とりあえず強者による個対個の決着が楽しみ。