いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ロクでなし魔術講師と追想日誌5」羊太郎(富士見ファンタジア文庫)

魔術の失敗で、システィーナがグレンの飼い猫に!?――『猫になった白猫』。惚れ薬によってルミアが、全校生徒から追い回されて!?――『勃発、愛の天使戦争』。あんなに好きだったのに……どうして苺タルトはリィエルを裏切ってしまったのか―――『リィエル捕獲大作戦』。そして短編集初主演! 特務分室室長時代、イヴの華麗なる日々(笑)を描く『室長サマの憂鬱』。ドラゴンマガジン誌上の大人気エピソード四つを収録!
そして――「…人の善悪を、人が推し量ってはならないよ、グレン」それは、グレンとジャティスが同僚であった頃。それぞれの正義を争う因縁の秘話が、ついに解禁――!


ロクでなしの短編集第五弾。
思いっきり遊んでいるドタバタコメディな短編4編と、本編の過去が語られるシリアスな短編1編の短編集定番の構成。
いつも通りシリアス短編を一番に上げたいところなんだけど、ジャティスはちょっとね。わけわからんし(^^;
読者には伝わっているけど、作中の登場人物には伝わっていない本音の部分が他の誰かに伝わってしまう。そんな事故が起こっていた「勃発、愛の天使戦争」と「猫になった白猫」が良かった。




勃発、愛の天使戦争
内容:天災教授が作り出したモテ薬がルミアにかかる
ルミアさんマジ天使(自明の理)
お約束の迷惑発明からのドタバタコメディも、ルミアにとっては自分の気持ちに正直になるいい機会に。落ち着いているルミアが赤面するのはレアなので、とてもいいシーンだった。……はあ、かわいい



室長サマの憂鬱
内容:まだ室長だった頃のイヴの話
イヴに足りないのは想像力かな。その仕事を誰に頼んだらどうなるか、先に考えてから仕事を回せば自分の仕事を増やすことはないのに。人を使うより、人に使われる方が力を発揮するタイプよね。



猫になった白猫
内容:システィーナが変身魔法に失敗し猫になる
お風呂イベントに、猫になってる間に本音を聞いてキュンに、お約束の朝チュン
ベタだけど、とても良かった。システィーナの短編としてはニヤニヤ度過去最高。



リィエル捕獲大作戦
内容:リィエル、虫歯に
暴走機関車が自らの意思で逃亡……うーん、迷惑w
リィエルってこんなにセリカに懐いてたっけ?



THE JUSTICE
内容:グレンとジャティスが同僚だった頃の話
グ「てめえは、一体、何がやりたかったんだ?」
この一言に尽きる。という身も蓋もない感想しか出てこなかったのだけど、作者本人があとがきで似たようなこと言ってて笑った。
こいつが出てくると、いつも某ゲームのレザード思い出す。