いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「ゲーマーズ!12 ゲーマーズと青春コンティニュー」葵せきな(富士見ファンタジア文庫)

今度こそ勘違いじゃない。正真正銘の愛の告白によってカップルになった雨野景太と天童花憐……だったが、こじらせゲーマーたちの青春に平穏が訪れるわけもなく――。
「あらあら……相変わらずぬるいプレイをなさっているようね、雨野君。嘆かわしい」「おやおや、また他人のプレイスタイル批判ですか、意識の高いゲーム部部長さん」カップル成立の翌日に、ゲームネタでガチ喧嘩という、やっぱりめんどくさい日常。
もういいかげん、すれ違いゼロを目指したいゲーマーたちは因縁の地《シュピール王国》へ集い、真エンドへ向かう……!
こじらせゲーマーたちの青春錯綜系ラブコメ、ついに完結!!

花憐さん「おかわいいこと」ポーズ似合うわーw



前回でヒロインレースが決着し、エピローグな最終巻。
最後くらいはすれ違いも勘違いもなく、カップルのデートを楽しませてあげようという魔王様の粋な計らいにより、それぞれにデートイベント。……だったんだけど、逆効果だったような。
二人のイチャラブはもちろん悪くないけど、このシリーズに限ってはみんなでバカやってた方がハッピー感が出たような気がする。本人たちも言っていたように寂しさと物足りなさを感じてしまう。
そんなわけで、個別のイベントでそれぞれが自分の気持ちに一つの区切りを付けるのがメインだった。まあ、それはそれで最終巻らしいか。
で、全員のエピソードを読んで思ったことは一つ。
やっぱり心春がNo.1!
主人公との絡みの面白さ、残念系ラブコメのヒロインとしての可愛さ、景太への想いの強さ。どれをとっても最強のヒロインだと思うんですけど。物語はここでピリオドだけど、それでも想い続ける彼女の強さが報われる“先の物語”を願っている。
あ、心春のエピソードでは言うことがもう一つ。キーくんにはがっかりだよ。
勘違い×すれ違いのラブコメ、これにて完結。最後は予想外に楽しさよりもしんみりが強いラストになったけれど、きっと彼らはこれからもドタバタしながら仲良くやっていくんだろうな、という未来が思い描ける締め方で、読後感が爽やか。
最後まで面白かった。良い青春を堪能させていただきました。