いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「百錬の覇王と聖約の戦乙女20」鷹山誠一(HJ文庫)

神都を舞台にした緒戦で、見事《炎》のヴァッサーファルを撃退した勇斗たち。しかしその喜びもつかの間、神算鬼謀の信長による新たな戦術が神都に襲い掛かる。ルーネも未だ帰還せず、大陸脱出の「刻」を稼がなければいけない勇斗は、果たしてそれに対抗する術を持つのか!?
ユグドラシル史上最大の決戦、その行方を占う異世界覇道戦記、怒涛の第20巻!!


勇斗VS信長ラウンド2なシリーズ第20巻。
信長のいない時代の知識を選びながら、奇策を繰り出し続ける勇斗に対して、常に最速かつ最善手で応戦してくる信長。兵力と知識量で勝る《鋼》と勇斗の優勢が続いているものの、たった一度の悪手で盤面がひっくり返りそうな緊張感と気味の悪さを感じ続ける、焦れる話だった。
そんな緊迫した戦況の中でも、ライトノベルらしく個のエピソードが大事にされるのがこのシリーズの良いところ。
今回のイチオシは兄妹仲直りシーン。勇斗には絶対に見せないフェリシアのSっ気にニヤリ。
次回、修羅と化した信長が勇斗に襲い掛かる!? あちらがああなったから、こちらも大切な仲間が誰か欠けそうで怖い。
節目の20巻目ということで、作者はこの巻で戦には決着を付けたかったみたいだけど、それは無茶ってもんでしょう。次でも厚さを1.5倍くらいにしないと無理じゃない?