いつも月夜に本と酒

ライトノベルの感想を中心に興味のあることを日々つらつらと書き連ねるブログです。



「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?10」手島史詞(HJ文庫)

これより、我が城に大浴場を作る!
大きいお風呂が欲しいというリリスからの訴えを受け、部下の慰労や、ネフィのためザガンは城に大浴場を建設することに。
彼は東方の建築を研究したり、なぜか魔王殿に存在した大浴場を参考になんとか完成までこぎつける。大浴場を楽しむネフィやシャスティルたち、覗きをしようとするバルバロスと防ぐザガンなど、バタバタした魔王たちの日常は変わらず続いていく。
しかし、暗躍するビフロンスの魔の手は忍び寄っており、さらにはアルシエラが存在をひた隠しにしていた〈アザゼル〉がその姿を現し――大人気ラブコメファンタジー絶好調の第10巻!


魔王様、大浴場を作るの巻。
その大所帯で家庭用の風呂一つだったんかい! それは情緒がない……いや、脱衣所・洗面所でばったり等のハプニングが目白押しでゴメリお婆さんが喜びそうな状況ではあるな。これは大浴場の存在は一長一短かも、、、なんて思った私が馬鹿でした。大浴場最高でした。
それだけ完成後のシーンが良かった。
ファンタジー世界の綺麗どころの種族が集う桃源郷とキャッキャウフフな女子恋愛トーク、堪能させていただきました。それにエピソードのオチも完璧だった。最後の最後であんなところに飛び火するとは。見事な因果応報で大笑い。
また、お風呂以外の場所でもあっちでもこっちでも、さらにそっちのカップルまで初々しくて、お婆ちゃんじゃなくて溢れる愛で力でだらしない顔になってしまいそう。
ストーリーとしてはマルクの正体やザガンの親の話題に進展があって、千歳ロリがひた隠しにしてきた〈アザゼル〉まで現れて、物語に進展があるばかりか、転換点にもなりそうな重要な回だった。にも関わらず、全体的にほのぼのムードだったのはザガン一派、いや一家の持つ空気感のなせる業か。VSアザゼルと覗く覗かないで争う馬鹿な野郎二人の喧嘩が、同等の扱いだもんなあ(苦笑)
各陣営のトップがすげ代わる波乱の世の始まりみたいな終わり方だったけど、このシリーズで荒れる展開は想像できない。それにあの人、たぶん死んでないでしょ。これ幸いと隠居しそうではあるけれど。