三段リーグ最終日の翌日。
『史上初・女性プロ棋士誕生!』の報に日本全土が沸き立つ中、雛鶴あいは関西国際空港を訪れていた。
親友の水越澪が海外へ旅立つのを見送るために……沈みがちになる気持ちを隠して明るく振る舞うあい。
意外な人物との再会をきっかけに、事態は思わぬ方向へと動き出す。
「最後に一つだけお願いがあるんだ」
同じ頃、あいの師匠である八一は東京の病院にいた。満身創痍で眠り続けている銀子の傍らに……。
あい、澪、綾乃、シャル、そして天衣。五人の少女が集う最後の一日を描いた、約束の13巻!!
飛び方を覚えた雛鳥は今、大空へと羽ばたく――
海外に行ってしまう澪を見送るため、JS研四人で関西国際空港へ。その道中や空港内で思い出話として過去のエピソードが語られる、という形で進む短編集。
感情の起伏とテンションの差がジェットコースターのようであった。
澪を見送る現在は別れの寂しさがあり、分かれる友達に何かを残そうとそれぞれの決意がありと、女の子たちの和気あいあいとやり取りの中にどこか張り詰めた空気があった。反対に、その間に挟まれる過去のエピソードは特装版のドラマCDが元ということもあり、全力でふざけているので、テンションと真剣さのギャップが凄まじいことに。
そのドラマCD原作の過去エピソード、クズロリキングが金髪幼女に狂っているシーンが多すぎないか? 前の二つはそれしか印象に残っていないんだが。期間を置いて聞けばさほど気にならないんだろうけど、こうやってまとめて読むとくどい。
……ま、まあ、大事なのは“今”だから。
心のどこかで諦めが芽生えてしまっているあいに対する澪からの強烈な叱咤激励、響いた。言葉もわからない海外へ行く自分が大変な時期に、友達のためにこれだけの労力と時間と情熱を向けられるあなたは素敵です。本人は嫌われるのが怖いからと言っているけれど、こういう子だからみんなが彼女の周りに集まってくるのだろう。
あと、小学生らしい微笑ましさを感じたのは予想外の天衣。澪に対してツン“デレ”を発揮するのは意外だった。接点少ないのに意外と仲が良いんだ。で、そこにも嫉妬するのか、あいちゃん。。。人としての器で完敗してる。
また今回のラストはいつもの感想戦に代えて極甘デザート。
地の文がなんか変だと思ったらそういうことか! ん…………(ハート)がかわいすぎてヤバい(語彙力死亡
それに引き換え、台詞にボケに桂香さんのおばちゃん化が止まらない……どうしよう(まてこら
次巻から最終章だそうで。試練を迎えるのは八一かあいか両方か。